オリックス・糸井とのFA交渉を終え、取材を受ける阪神・金本監督=大阪市内のホテル(撮影・松永渉平)【拡大】
糸井は阪神側の条件提示にも納得の様子だった。オリックスは4年総額で18億円という大型契約を提示。交渉に同席した高野球団本部長は金額については明らかにしなかったが、当初予定していた3年契約を4年に変更し、総額でもオリックスに負けない好条件を提示したと見られる。
糸井は「いい評価をしていただいていると思っています。本当に」と納得顔だった。
FA権を行使するかどうかについては「夜も眠れないぐらいに悩んだ」と話していたが、虎との初対面の後は、対照的にスッキリとした表情を浮かべた。
「(今夜は)眠ります。ちゃんと、そこは自分の野球人生なので、しっかり考えて答えを出したいと思います」
もう悩む段階ではない。返答のタイミングについては「しっかり考えて、整理してから」と話すに留めたが、あとは意志を固めるだけ。刺さった矢は簡単には抜けない。射貫かれた胸に手を当てて、糸井が決断を下す。 (高瀬悟嗣)
★報道陣50人ドドッ
FA交渉の舞台となったのは、大阪市内の超高級ホテル。窓の外にキタエリアのビル群が広がる高層階の一室を使用し、糸井と金本監督、高野球団本部長の3人が、膝をつき合わせて話し合った。軽食が用意され、コーヒーを飲みながら約1時間。虎サイドが熱い思いをぶつけた。取材にはテレビクルーが8社、報道陣50人が駆けつけ、注目度の高さを表わしていた。