石田一光 角田要 伊藤繭莉、浜田祥太郎
2016年11月11日21時58分
11日午前5時40分ごろ、福岡県筑紫野市内のJR鹿児島線で停電が発生し、架線が切れているのが見つかった。その後、佐賀県内の長崎線の2駅でも架線に破損が確認され、パンタグラフが破損した列車が5カ所で見つかった。JR九州は鹿児島線門司港―鳥栖、長崎線鳥栖―諫早などで運転を見合わせ、午後3時40分までに運転を再開した。
午後2時30分時点で、特急・普通列車計392本が運休し、影響は約11万人に及んだ。遅れを含め、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、山口の各県の路線に混乱が広がった。
午後4時から緊急の記者会見を開いたJR九州によると、架線が切れたのは福岡県筑紫野市の鹿児島線天拝山(てんぱいざん)―原田(はるだ)間で、絶縁部分(長さ8メートル)が5カ所破断していた。さらに、午前8時ごろには佐賀県江北町の長崎線肥前山口駅で架線の破損を発見。運転を見合わせて点検し、同県吉野ケ里町の吉野ケ里公園駅でも架線の破損を確認した。
また、架線と接するパンタグラフが損傷した列車が、北九州市の陣原(じんのはる)駅▽福岡県筑紫野市の原田駅▽福岡市の南福岡車両区(基地)▽佐賀県江北町の肥前山口駅▽長崎市の長崎駅の5カ所で見つかった。
JR九州は、まず天拝山―原田間で架線が何らかの原因で損傷し、複数の電車が通るうちに損傷が拡大して最終的に破断し、停電したとみている。さらにここを通ってパンタグラフが破損した列車のうち一つが長崎線に入り、今度は佐賀県内の2駅の架線を損傷させた可能性が高いという。
一連のトラブルで、鹿児島線、長崎線とつながる佐世保線、日豊線、久大線などでも運休や遅れが出た。JR九州幹部は会見で「早朝より大規模な輸送障害を発生させ、お客様には大変なご迷惑をおかけした」と謝罪した。(石田一光)
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朝日新聞社会部