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 米大統領に就任するトランプ氏(70)が、選挙の2日後から精力的に動き出した。オバマ大統領と初会談し、選挙中に亀裂が入った共和党主流派との関係修復も図った。トランプ氏はオセロゲームのように、オバマ氏の肝いり政策「レガシー(遺産)」をひっくり返していく考えだ。

 トランプ氏は10日、自家用ジェット機でワシントンに降り立つとホワイトハウスに直行した。約90分間、スタッフ抜きで外交や内政について意見交換した。

 会談後、オバマ氏が「あなたが成功するよう、できることは何でもやる」とエールを送ると、トランプ氏も「尊敬している。助言も含め、今後も大統領とやりとりすることをとても楽しみにしている」と応じた。さらに「(オバマ氏が)本当に偉大な業績も説明してくれた」と語った。ジョークを言い合うなど、融和的なムードが流れた。

 選挙中、トランプ氏はオバマ氏を「史上最低の大統領」「災害」とののしり、オバマ氏も「最高司令官として不適格」とこき下ろすなど「犬猿の仲」だった。

 トランプ氏は「医療保険制度改革(オバマケア)」の廃止を主張。オバマ氏が議会の承認なしに決めた大統領令も、すべて撤廃することまで打ち出していた。

 このため、オバマ氏にとっては、8年間かけて築き上げた「レガシー」が、トランプ氏によって次々と葬り去られるという危機感がある。ホワイトハウスのアーネスト報道官は10日、今回の会談の目的について「新大統領になっても、継続されるべき政策がある」と説明。レガシーを維持させたい思いをにじませた。

 しかし、会談の直後、オバマ氏の危機感は現実のものとなる。

 トランプ氏は連邦議会に移動すると、共和党のライアン下院議長らと会談。トランプ氏は「非常に細部にわたった協議ができた。医療保険をより手頃で良質なものにする」と強調。直前まで「偉大な業績」と表現していたオバマ氏の政策のなかでも、目玉であるオバマケアを見直す考えを表明したのだ。

 また、記者から優先する政策を問われると、「移民、国境の問題は重要だ」と回答した。オバマ氏は大統領令で、不法移民の子どもを一定の条件下で強制送還の対象から外すことを決めた。これに対し、トランプ氏は「新たな標準を適用する」として例外を認めない考えを示している。これにより約130万人の若者が強制送還の対象に加わるという。

 大統領選と同時に行われた連邦…

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