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51%の真実

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米大統領選の結果に思う ~CNN出口調査から~

Category - 選挙
 早速、CNNが出口調査結果をまとめてくれていた。以下のサイトから気になる項目を抜き出して表にまとめてみたので、このデータを基にトランプ勝利(クリントン敗北)の要因を探ってみたい。

 「election2016 exit polls」(CNN politics updated 3:06 am ET, Nov. 9)

回答数24,537

(1)性別

クリントン

トランプ

/未回答

男性(48%)

41%

53%

6%

女性(52%)

54%

42%

4%

 

(2)人種

クリントン

トランプ

/未回答

白人(70%)

37%

58%

5%

黒人(12%)

88%

8%

4%

ラテン系(11%)

65%

29%

6%

アジア系(4%)

65%

29%

6%

その他(3%)

56%

37%

7%

 

(3)性別×人種

クリントン

トランプ

/未回答

白人男性(34%)

31%

63%

6%

白人女性(37%)

43%

53%

4%

その他(30%)

74%

21%

5%

 

(4)年齢

クリントン

トランプ

/未回答

18-24(10%)

56%

35%

9%

25-29(9%)

53%

39%

8%

30-39(17%)

51%

40%

9%

40-49(19%)

46%

50%

4%

50-64(30%)

44%

53%

3%

65(15%)

45%

53%

2%

 

(5)人種×年齢

クリントン

トランプ

/未回答

白人18-29(12%)

43%

48%

9%

白人30-44(17%)

37%

55%

8%

白人45-64(30%)

34%

63%

3%

白人 ≧65(13%)

39%

58%

3%

その他(30%)

74%

21%

5%

 

(6)年収

クリントン

トランプ

/未回答

$50k(36%)

52%

41%

7%

$50k-100k(31%)

46%

50%

4%

$100k(33%)

47%

48%

5%

 

(7)初めて投票?

クリントン

トランプ

/未回答

はい(10%)

56%

40%

4%

いいえ(90%)

47%

47%

6%

 

(8)いつ決めた?

クリントン

トランプ

/未回答

23日前(8%)

44%

46%

10%

1週間前(6%)

38%

50%

12%

10月中(12%)

37%

51%

12%

9月中(13%)

46%

50%

4%

8月以前(30%)

52%

45%

3%




 まず、今回トランプ氏に投票した有権者をマクロな視点で見た時の特徴は、以下の条件に当てはまるようだ。(条件に当てはまる人の50%以上がトランプ氏に投票している。) 巷で言われていた「負け組の反乱」とか「白人低所得層が支持」とかは、正しい情報ではなかった。

 ●男性
 ●白人
 ●年齢が40歳より上の層
 ●年収が5万ドル(500万円強)以上の層


 次にミクロな視点で見ていくと、面白いことがわかってくる。

 ●女性全体では(1)にあるように、クリントン支持が10%以上もトランプを上回っているが、女性の2/3を占める白人女性に限ると、(3)にあるように完全に逆転してトランプ支持が10%もクリントンを上回っている。
 ということは、白人以外の女性は80%がクリントン支持ということになる。クリントン氏は女性に不人気だったのではなく、白人女性に不人気だったのである。

 ●年齢を細かく見ると(4)にあるように、若いほどクリントン支持が多く、年を取るほどトランプ支持が多くなる。その分岐点が40歳辺りにありそうだ。
 しかし40歳より下の層でも白人に限ると、やはり逆転してトランプ支持が5~20%弱程度クリントンを上回る。ただしそれでも、10代~20代のより若い人はトランプ支持率が小さくなる。
 一般的に年の功と言われ、年上の方が若い人より常識的だと考えられているが、どうやらそれは間違った認識だと感じる。

 ●今回トランプ氏は、いつもは投票に行かない層をターゲットとして、票を掘り起こしたと言われているようだが(7)からはそれは読み取れない。
 (7)で「はい」と答えた人のほとんどは、(4)の18-24歳と一致する人だと思うが、その人たちの多くはクリントン氏に投票している。「いいえ」と答えた人の中で、1回は選挙に行ったことがあるがいつもは棄権している人が、今回はトランプ氏に入れたことにより両者への投票率が拮抗したということになるのだろうか?

 ●一番興味深いのが(8)の結果だ。コーミーFBI長官が発表した10/28のメール問題調査再開が、どれくらい投票行動に影響したかが表れている可能性があるからだ。興味深い数値を青色と赤色にしてみた。
 まずは一旦7月に終息したと思われたメール問題だが、8月末までに決めた人はこれを好感してクリントン氏を支持したと思われる。
 しかし9月末までに決めた人では逆転し、トランプ氏の支持率が高くなっている。9/28のテレビ討論はクリントン氏が圧勝だったが、それはまったく関係なく投票判断には影響しなかったようだ。
 10月末~1週間前までに決めた人は、更にトランプ氏の支持率が高くなっているが、2~3日前に決めた人では9月時点の値までクリントン氏が支持率を戻している。これがまさに10/28のメール問題再開が影響したことを現していないだろうか。(証拠に乏しい為、断定する表現にしなかった・・・)
 更に面白いのは、10月末以降に投票先を決めた人の「その他の候補/未回答」の割合が大きいことだ。これは投票日近くまで迷った人の方がトランプ支持とは言いづらいと考える人が多く、「未回答」が多かったのではないだろうか。つまり最後まで迷った人でトランプ氏に投票した人の割合は+5%程度多くなり、これが「隠れトランプ」と言われる人ではなかったかと思うのである。

p.s.
投票率についても触れたかったのだが、確定値がわからなかったので後日追記する予定です。おそらく50%程度で、アメリカも日本と似たような感じかなと思ってます。



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米大統領選 CNN出口調査 メール問題の影響 コーミーFBI長官

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