池田町元主事 裁決文「町の信用傷つける行為と評価できず」
停職期間中に不適切な内容をフェイスブックに投稿したことが地方公務員法違反(信用失墜行為の禁止)に当たるとして懲戒免職となった岐阜県池田町の元女性主事(31)について、揖斐広域連合公平委員会は免職処分を取り消す裁決を出した。裁決は7日付。裁決により女性の身分は職員に戻った。
町によると、主事は勤務時間外に名古屋市で接客の仕事に従事し、約300万円の報酬を得たとして昨年11月、停職6カ月の懲戒処分を受けた。停職期間中に旅行し、食べたカニの写真などを自身のフェイスブックに投稿。住民から「停職中なのに不謹慎」との批判があり、町は5月、「反省すべき停職期間中に町の信頼を損なう行為」などとして主事を懲戒免職にした。
主事は6月、「投稿は町の信用を失墜させていない」として公平委員会に審査請求を申し立てていた。
裁決文は「投稿内容が町の信用を傷つける行為とは到底評価できない」として旅行の様子をフェイスブックに書き込む行為は処分理由に当たらないとの判断を示した。
主事は10日、岐阜市内で記者会見し、「趣味の書き込みがこれほど大事になるとは思っていなかった。処分は取り消されたが、今後は気を付けていきたい」などと職場復帰の意思を示した。岡崎和夫町長は「私どもの主張が認められず大変残念。今後は本人と復職に向けて話し合っていきたい」とのコメントを出した。
公平委員会は地方公務員法に基づく第三者機関で、不利益処分を審査する。【駒木智一】