答弁の意図を説明 表現が差別かの判断を再び避ける
鶴保庸介沖縄・北方担当相は10日、参院内閣委員会の理事懇談会に出席し、沖縄県の米軍訓練場の工事反対派に大阪府警の機動隊員が浴びせた「土人」との発言を「差別と断じられない」とした自らの答弁の意図を説明した。鶴保氏は「土人」という表現が差別かの判断を再び避け、「人権問題かを第三者が決めつけることは危険だ」と述べた。
鶴保氏は「(機動隊員が)威圧的言動を行ったことは許すまじきことだ」と指摘する一方で、差別発言との指摘には「言われた側の感情に主軸をおいて判断すべきだ」と述べるにとどめた。理事懇後は「なぜ(土人が)差別発言と言われるのか理解できない」と記者団に語った。
野党は追及する姿勢を強めている。共産党の志位和夫委員長は同日の記者会見で「問題の深刻さを理解しておらず、閣僚の資格がない。安倍政権はモラルハザードに陥っている」と批判した。
鶴保氏は8日の参院内閣委で「(土人発言を)差別と断じることは到底できない」などと答弁。理事懇は説明を求める野党側の要求に応じて開かれた。【飼手勇介】