トランプ氏勝利 各国首脳はさまざまな反応

トランプ氏勝利 各国首脳はさまざまな反応
k10010763871_201611101919_201611101921.mp4
過激な発言を繰り返してきたトランプ氏ですが、政治経験がないだけに、各国は、まずは具体的な外交方針を見極めたいとの考えがあるものと見られます。各国の首脳からは、さまざまな反応が聞かれました。
不法移民の対策として国境に壁を築くとするトランプ氏の勝利についてメキシコのペニャニエト大統領は、トランプ氏にではなくアメリカ国民に祝意を示したうえで、「メキシコとアメリカは友人で同盟国だ。北米の発展のためにともに協力しなくてはいけない」と呼びかけました。

貿易の現状をめぐり、トランプ氏が批判的な発言をしてきた中国の習近平国家主席は「両国関係を非常に重視しており、衝突も対抗もせず、ウィンウィンの原則のもと、あなたとともに両国の協力を進めていくことを期待している」とメッセージを送り、両国関係の安定が重要だという立場を強調しました。

トランプ氏がアメリカ軍の駐留経費の負担を増やすべきだという考えを示している韓国も、パク・クネ(朴槿恵)大統領が「北をめぐる問題など懸案事項の解決とアメリカとの同盟関係の発展のため協力をさらに強めていきたい」と述べて、北朝鮮への対処などをめぐる関係の強化に期待を示しました。

国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は「アメリカが人類の共通の利益のためにその際だった力を発揮することを世界中の人々が望んでいる」と述べて、トランプ氏に対し国連を含む国際社会との協調を強く求めました。

一方、フランスのオランド大統領は、トランプ氏の就任後首脳会談を行いたい意向を示しながらも、「トランプ氏の勝利によって不確実な時代に入った。これまでの彼の発言はわれわれが共有してきた価値とは相いれない部分もある」と述べ、強い警戒感を示しました。

また、トランプ氏がイランとの核合意を破棄する考えを示していることについて、イランのロウハニ大統領は「合意は多国間で結ばれ、一国の政府が単独で破棄できるものではない」などとけん制しました。

過激な発言で物議を醸し、「フィリピンのトランプ」とも呼ばれるドゥテルテ大統領は「私たちは、ささいなことでも悪態をつくという点で全く同じだ」と述べ親近感を強調しました。

ロシアのプーチン大統領は、トランプ氏が悪化している米ロ関係の改善を目指す考えを示していることについて、「トランプ氏の発言は、米ロ関係の修復を目指すものだった。完全な関係修復を望んでいるし用意はある」と述べ、期待を示しました。

イスラエルのネタニヤフ首相も「トランプ氏はイスラエルの真の友人だ」などと持ち上げたうえで同盟関係の維持を強調しました。