クリントン氏の敗北で「ガラスの天井」と言われる女性の政治進出を阻む壁は米大統領選で破れなかった。
「男性なら、もっと早く大統領になっていてもおかしくない人材だ」。女性の政治参画に詳しい三浦まり・上智大教授(政治学)はクリントン氏をそう評した。日本では東京都の小池百合子知事や民進党の蓮舫代表が注目されるが、三浦氏は「日本ではイメージ刷新を期待されて登板するケースが多く、政治経験や支持基盤に不安が残る」と辛口だ。「当選したら日本の女性の政界進出の追い風となっていた」と残念がる。
大阪府で全国初の女性知事を務めた太田房江参院議員(自民党)は、クリントン氏の敗因について「女性だから負けたのではない。不満をあおるトランプ氏にやられた」と分析。「リベンジしてほしい」と期待を口にした。【中川聡子、遠藤拓】