特集 PR

ピエール中野が愛を込めて語る、アイドル論。なぜハマったのか?

ピエール中野が愛を込めて語る、アイドル論。なぜハマったのか?

ソニー「XBA-N3」
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

凛として時雨のドラマー、ピエール中野。X JAPANのYOSHIKIに衝撃を受けて始めたというドラムは、超絶的なテクニックが特徴。まるで千手観音のごとく手数、足数を駆使した高度なテクニックと表現力による、豪快かつ繊細なプレイは他の追従を許さない。凛として時雨とは別に、大森靖子やももいろクローバーZ(以下、ももクロ)、星野源など、ジャンルを問わず様々なアーティストのレコーディングやライブに参加するなど、多忙を極めている。

ピエール中野は、アイドルや女性グループへの造詣も深く、そのユニークな語り口にはファンも多い。そこで今回CINRA.NETでは、彼にPerfumeやももクロ、BABYMETALなどへの「愛」をたっぷりと語ってもらった。

ヘッドホンやイヤホンに一家言を持つ彼は、新製品が出るたびチェックしているという。ソニーの最新イヤホン「XBA-N3」を使って、PerfumeやBABYMETALのお気に入りの楽曲などを聴いてもらったが、音への深いこだわりには脱帽するばかりだった。

Perfumeは、あれだけブレイクしたあとも、ずっと面白いことをやり続けている。そこがすごいなと。

―ピエール中野さんがアイドルを好きになった、そもそものきっかけはなんだったんですか?

中野:古くはおニャン子クラブとか、当たり前のようにテレビから流れていたものを見たり聴いたりしていました。松田聖子さんとかも、普通にお茶の間にアイドルとして存在していて。特別「アイドル」と意識をしなくても、テレビを点けていれば現れる存在だったんです。

その後、高校卒業していろんな音楽を聴くようになったところで、中田ヤスタカさんのCAPSULEに出会いました。すごく好きで聴いていたのですが、2006年にリリースした7枚目のアルバム『FRUITS CLiPPER』で、ガラッと音楽性が変わったんですね。

ピエール中野
ピエール中野

―それまで「ポスト渋谷系」的なサウンドだったCAPSULEが、DAFT PUNKなどの影響を受けてエレクトロ色を色濃くした時期ですね。

中野:「CAPSULE、めちゃくちゃかっこよくなってる。この感覚好きだわ!」と思って。そのことをTwitterで呟いたら、「CAPSULEが好きなら、このグループも面白いから聴いてみて」と友人に言われ、聴かされたのがPerfumeだったんです。

ちょうど“コンピューターシティ”(2006年発売、2ndシングル)のときだったのですが、かっこいいしかわいいなと。それでちょっとライブを観てみようと思ったところから、すべてが始まりましたね(笑)。

―初めて観たライブの印象は?

中野:そのとき、結局ライブは行けなかったんですけど、「握手会付きのインストア」があって。誘ってくれた友人はアイドルに詳しかったので、当たり前に「握手会」とか言ってるんだけど、僕は「握手会って? なにしたらいいの?」みたいな(笑)。

ともかく秋葉原の会場へ行ってみたら、本番前にリハーサルをやっていて、その時点で結構人が集まっていたんですね。しかも本人たちが、「このあと秋葉原の路上でフライヤーを配るので、もしよかったらもらってください」とか言っていて。「そんなことするの!? じゃあ、もらいに行こう!」と(笑)。

―それで一緒に写真を撮ったり話したりしているうちに……。

中野:すっかり好きになっちゃいました(笑)。すげえかわいいし、実物さらにかわいいし。ライブもめちゃくちゃよかったうえに、握手会の対応もよかったんですよね。

ピエール中野

―その頃のPerfumeは、客層も他のアイドルとはちょっと違っていましたよね。

中野:そうなんです。ガチのアイドルオタクもいれば、CAPSULEから流れてきたオシャレなクラバーもいて、RHYMESTERの宇多丸さん(いち早くPerfumeの存在に注目し評価していた)流れで観に来たサブカル層もいる。ロック畑の人もチラホラ増えてきていて。そういう現象の面白さもありました。

それに、リリースされる作品もことごとくよかったし、人気も知名度もどんどん上がっていくなかで、三人の大学進学が決まって「解散説」が流れたりして。そういったストーリー性にも、ハラハラドキドキしましたね。僕はSNSでPerfume好きを公言しまくっていたせいで、「ピエール中野はアイドル好き」という印象が一般的に強いのだと思います(笑)。

―中野さんはきっと「楽曲のクオリティーが高い」というのが、好きになるアイドルや女性グループの条件になっているのかなと。松田聖子もおニャン子クラブも、当時の一流作家陣を起用していましたもんね。

中野:そうですね。曲のクオリティーがしっかりしていないとハマれないです。そしてPerfumeは、あれだけブレイクしたあとも、ずっと面白いことをやり続けている。そこがさらにすごいなと。

―世界進出のタイミングで、ライゾマティクスとコラボをして、メディアアートとしても最先端を走るようになっていきますよね。

中野:そうなんですよ。ステージングもどんどん進化していって。最初の東京ドームでは、きっと課題点がいっぱいあったはずで。そこでの教訓を活かし、次の東京ドームでは、会場の使い方をガラッと変えてくる。そういう日々の著しい進化にも、毎回驚かされましたね。「まだ新しいことに挑戦するんだ!」って。

しかも、ファンとの距離感はまったく変わらないんですよ。それって本当にすごいことだと思うんですけど、結局は三人の人柄のよさに尽きるんです。もちろん、周りのスタッフたちの「Perfume愛」も半端ないし。

Page 1
次へ

ウェブサイト情報

The Headphones Park
The Headphones Park

ヘッドホン / イヤホンに強いこだわりを持つピエール中野が、普段リファレンスとして聴いているアイドル楽曲などを語った、インタビュー記事掲載中

製品情報

『密閉型インナーイヤーレシーバー「XBA-N3」』
『密閉型インナーイヤーレシーバー「XBA-N3」』

2016年10月29日(土)発売
価格:オープン価格

『ヘッドホン用ケーブル「MUC-M12SB1」』
『ヘッドホン用ケーブル「MUC-M12SB1」』

2016年10月29日(土)発売
価格:オープン価格

プロフィール

ピエール中野
ピエール中野(ぴえーるなかの)

凛として時雨のドラマー。手数、足数を駆使した高度なテクニックと表現力で、豪快かつ繊細な圧倒的プレイスタイルを確立。サブカル的な独自の視点と卑猥なマイクパフォーマンスでごく一部のファンから熱狂的な支持を得ている。ドラムメーカーであるTAMAからは、日本人初となるシグネチャードラムセット発売、シグネチャースネアの予約即完売など、前例のない功績を残した。また、凛として時雨とは別に「カオティック・スピードキング」という3人組即興ユニットや、ヒップホップ集団「玉筋クールJ太郎」での活動、DJやコラム連載など、ドラマーとしての可能性を模索し、幅広く精力的な活動を展開している。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

Got a minute ? 動画これだけは

『T2(原題)』予告編

ダニー・ボイル監督の映画『トレインスポッティング』の続編『T2(原題)』のティザーが公開。20年前と変わらない疾走感がUnderworldの“Born Slippy”と一緒に駆け抜けていく。初めて『トレインスポッティング』を見た時の高ぶりがありありと蘇ってきて……とにかく早くスクリーンで見たい! と欲望をかき立てられるばかり。(飯嶋)