明日、ニュージーランドに飛ぼうと思う。筆者は本気だ。とにかく今は、米国から可能な限り遠く離れるのがよさそうだ。少なくともしばらくの間は離れるのがいい。それに、ニュージーランドのマールボロ地方(南島の北東部)のワインは素晴らしいと聞く。
ニュージーランドで、あのRBGに会えるかどうかは分からない。ラップで有名なグループのRBGのことではない。あの米連邦最高裁判事のルース・バーダー・ギンズバーグ氏のことだ。彼女は今年7月、もし共和党候補のドナルド・トランプ氏が大統領になったらニュージーランドに移住を考えると発言した。確かに公的立場にある人物としてはふさわしい発言ではなかった*。だが、今晩、米大統領選挙の行方を見つつも、そろそろ寝ようかという時間になって、ニュージーランドに移住したら彼女に会えるかもしれないというのは、現実的な話となってきた。
1972年から米大統領選挙を担当してきた筆者が、記者人生の中でかかわらなかった大統領選は1984年と1988年の2回だけだ。今回の大統領選は、1980年に共和党候補のロナルド・レーガン氏が、現職のジミー・カーター大統領(民主党)を破って当選した選挙を彷彿させる。というのも投票日当日まで、世論調査では実にきわどい接戦になると予測されていたにもかかわらず、レーガン氏が圧勝したからだ。あの時、筆者は世論調査員たちは全員、クビだ、縛り首ものだと言ったのを覚えている。以来、筆者は世論調査の支持率には関心を払わないことにしてきた。
次期国務長官はギングリッチ元下院議長か
投票日当日の夜というのは、選挙キャンペーン中の候補同士の醜いやりとりや、まるで当たらない投票結果予測などすべて忘れてしまえるほど、「これぞ民主主義」という特別な雰囲気がある。今日もテレビ局各社が選挙区ごとの開票の状況を刻々と伝えていた。最もあてになるのは、右派にも左派にも買収されたことのないCNNだろう。CNNでは米国政治担当の責任者ジョン・キング氏が、選挙区ごとの開票結果の分析を伝えていた。