図鑑から盗用405カ所、学芸員処分 滋賀・琵琶湖博物館
滋賀県は9日、琵琶湖博物館の総括学芸員(53)が書いた同館のホームページや県の出版物の記述で、市販の図鑑からの盗用が405件で見つかった、と発表した。出典を示さずに昆虫の特徴に関する記述を引用し、最長では14年間にわたって放置されていた。県は同日付で、学芸員を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。
県によると、盗用があったのは博物館ホームページのコーナー「WEB図鑑」でのゴミムシとオサムシ、トンボを紹介する項目と、県内の絶滅危惧種などを紹介する「県レッドデータブック」の2005年版と10年版の昆虫を紹介するページ。いずれも昆虫の形態について、「原色日本甲虫図鑑」などから著作権者の許諾や引用元の明記を行わず、不適切に引用していたという。
昨年9月に引用元の図鑑の著作者から指摘があり、県の調査でWEB図鑑に379件、データブックに26件の盗用が見つかった。学芸員は「著作権に対する認識が甘かった」と話しているという。
同館は今年2月にWEB図鑑の公開を停止し、著作権者に謝罪しているといい、「発表が遅れ、館の認識も甘かった。再発防止に努める」と謝罪した。
【 2016年11月09日 22時40分 】