トランプ氏当選は差別に「イエス」、映画界に変化も…米在住映画評論家・町山智浩さん分析
2016年11月10日6時0分 スポーツ報知
俳優、映画監督のクリント・イーストウッド(86)はトランプ氏を推していたものの、「映画の都」ハリウッドでは、ロバート・デ・ニーロ(73)やジョージ・クルーニー(55)らクリントン氏の民主党の支持者の方が多い。トランプ氏が大統領となることで、今後の映画製作に何か影響はあるのだろうか。
米国の政治や文化に詳しく、映画評論家としても活動するカリフォルニア在住の町山智浩さん(54)は「トランプ氏がハリウッドに対し、何かをするということはないので、直接の変化というものは考えにくい」。ただ、大統領になったことで起きる社会の変化が、間接的に作品に変化をもたらす可能性を示唆した。
思想的な面で内容に影響を与えるとみる。「ハリウッドは『戦争、差別はダメ』との意識で製作をしてきましたが、選挙の結果は、国民は差別に『イエス』ということ。マーケティングという点で、ヒットを狙うために作品の傾向が変わっていくかもしれない」とした。さらに「国家の代表が差別にお墨付きを与えたわけですから、子供たちも悪いこととは思わなくなる。大変な時代になると思います」と教育への影響を危惧した。
この日もトランプ氏の優勢が伝えられた時点で円高が進んだように、今後も対外的にドルの価値が下がることが予想される。「となると、今まで以上に外貨頼りになるということが起こるでしょう」。多額の製作費を要する大作では海外からの出資が必要となり、それが作品に影響を与える可能性がある。