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オプジーボ、50%値下げへ 年度内にも
高額ながん治療薬「オプジーボ」について、政府が年度内にも価格を50%引き下げることで調整していることが9日、分かった。厚生労働省はこれまで、平成29年度から最大25%引き下げることを提案していたが、社会保障費の抑制が課題となる中、首相官邸などから、さらなる値下げを求める声が出ていた。
オプジーボは日本発の画期的な免疫療法薬として、皮膚がんの一種であるメラノーマの治療薬として26年9月に発売された。患者が年470人と少数に限られると見込まれたことから、100ミリグラム約73万円の高額な薬価が、厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)で認められた。
しかし、昨年12月から肺がんにも保険適用となり対象患者が数万人に拡大。欧米の価格が日本の半値以下であることも問題視され、30年に予定される次回の薬価改定を待たずに値下げを行うことになり、値下げ幅が焦点となっていた。
厚労省は予想を大きく上回って売れた薬の価格を最大50%値下げする市場拡大再算定という既存の特例を参考に、16日にも開催予定の中医協専門部会で引き下げを提案する見通しだ。