NTTタウンページ株式会社が運営する「タウンページデータベース」が、書店に関するランキングを発表した。
人口10万人当たりの「書店の登録件数による偏差値の都道府県ランキング」によると、1位は福井県、2位は石川県、3位は徳島県という結果に。
書店が多い県ほど子どもの学力も高いということがわかった。埼玉・千葉・神奈川は41位以下、東京も31位以下だった。
福井県は国語の学力も高い
福井県は、2016年度の「全国学力テスト」で1位、2015年の「文部科学省全国学力テストの学習状況調査」において、小学生の読書率、図書館利用率、さらに新聞購読率も1位だった。
「全国学力テスト」の調査結果をもう少し見てみよう。
福井県の公立小学校の児童に対して行なったテスト結果を見ると、国語A(主として知識)・国語B(国語B:主として活用)ともに平均正答率は全国平均を上回っている。
「国語A:主として知識」平均正答率:77%(全国平均73%)
「国語B:主として活用」平均正答率:63%(全国平均58%)
2位の徳島県は、2016年10月における人口10万人あたりの業種分類『塾・進学教室』の電話帳掲載件数が1位。「全国学力テスト」でも、国語Aの平均正答率が74%、国語Bが61%と全国平均を上回っていた。
塾が多いということは、それだけ教育熱心な保護者が多いという推測ができる。
3位の石川県においては、国語Aの平均正答率79%で全国1位となっている。
このように、上位3県ともに、書店の多さとともに小学生の国語能力も高いという共通点があった。
小学生の読書量は増えている
出版不況の加速により街の書店、都心でも大型書店の倒産が続いているが、実は小学生の読書量はこの10年間で微増している。
全国学校図書館協議会による2015年の「第61回学校読書調査」では、1ヶ月間の平均読書冊数が小学生では11.2冊、中学生では4冊、高校生は1.5冊という結果だった。
中高生については横ばいだが、小学生が増加しているのは「朝の10分間読書運動」が実施されていることで、学校で読書をする機会を設けているためではないかと分析されている。
※朝の10分間読書運動…毎朝、授業前の10分間で好きな本を読み、感想文や評価は求めないという運動。
読書によって向上する読解力が上がれば、学力にもよい影響がある。しかし書店が減っている現状、新しい本に出会う機会が得られにくくなっている。
子どもの学力の向上と、書店の生き残りを目指すには、小学生から大人まで、いかに読書の機会をつくるかにかかっているようだ。