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平坂 寛

COVER : 2016.11.09

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本当にそんなに危険なの? アリゲーターガーとはどんな魚か

本当にそんなに危険なの? アリゲーターガーとはどんな魚か

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アリゲーターガー危険生物外来生物巨大魚

平坂 寛

Monsters Pro Shop 編集長
「五感を通じて生物を知る」をモットーに各地で珍生物を捕獲しているライター。
生物の面白さを多くの人々に伝え、深く学ぶきっかけとなる文章を書くことを理念としている。

著書:「外来魚のレシピ〜捕って、さばいて、食ってみた〜」
「深海魚のレシピ〜釣って、拾って、食ってみた〜」(ともに地人書館)

近年、日本各地で発見、捕獲されては騒動になっているアリゲーターガー(Atractosteus spatula)。
本種は最大で全長2m以上に達する大型の肉食魚類で、温帯の日本でも越冬できることから在来の生物たちへの影響が懸念されている。image012016年5月に大阪府の河川で捕獲された個体。

その一方で、巨体とワニのように恐ろしげな顔立ちから「非常に攻撃的で獰猛な危険生物」あるいは「人を襲う可能性がある」などとセンセーショナルに報道されることも多い。image08-3−2

しかし果たして、本当に彼らはそんなにも危険な魚なのだろうか。

危険性
まず、よく言われる「人喰い」的な危険性についてはかなり低いと考えられる。

事実、原産地であるテキサスでの聞き取りでは「アリゲーターガーが人を襲ったと」という証言は得られなかった。また、記録も残っていない。「そんな話があったとしても都市伝説のようなものだろう」という回答も得られた。

当然、日本をはじめとする本種が移入されている各国でも同じく、遊泳中に本種に噛みつかれたなどという報告は無い。p8132713鋭い歯の並ぶ大きな口はたしかに恐ろしげではあるが…。

ただし、原産地においてアリゲーターガーの「攻撃」を受けて負傷した人物は複数存在しているという。
釣り人と、彼らを案内していたフィッシングガイドである。釣り上げた際に暴れるアリゲーターガーから「頭突き」をお見舞いされることがあるのだ。
p6210229-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bcスポーツフィッシング中に足首に「頭突き」を食らった日本人男性。取り扱いにはそれなりの注意が必要だ。

分布・・・出身は北米
国内各地で発見されているが、本来日本に生息している魚ではない。
原産地は北米中~南部のメキシコ湾に注ぐ水系である。湖沼や流れの穏やかな川を好み、汽水域や海水域に出現することもある。なお、北米最大の淡水魚でもある。p8132646アリゲーターガーが数多く生息するテキサス州のトリニティ川

形態
アリゲーターガー最大の特徴と言えるのが、その特殊な形状をした頭部である。
その名の通りワニを想起させる偏平で長く伸びた吻を持つ頭は非常に硬く、厚く、頑丈な骨格で形成されている。p8132696
2m以上もある巨体が釣り上げられのたうち回ると、船のオールほどもある頭部は人の骨を割る鈍器と化す。さらに口には鋭い歯が並んでいるため、当たり方次第では切創、裂傷を伴うこともあるという。先述の「頭突き」とはこのことである。p8132675

また、本種をはじめとするガー科の魚(ガーパイク)は頭部を除く全身をガノイン鱗と呼ばれる特殊な鱗で覆われている。imgp1098
ガノイン鱗は非常に硬く、一枚一枚が表皮に密着して石畳状になっている。さながら、タイルでできた鎧を纏っているような格好だ。この鎧のおかげで、捕獲時に足元や腕の中で暴れられると擦過傷を負うこともある。

向こうからこちらを襲うことは無いにせよ、こうした危険はある。本種を釣った場合は取り込みや針を外す際、写真撮影時に扱いを誤らないよう注意が必要である。

分類・・・1億年以上前から姿を変えていない古代魚
アリゲーターガーをはじめとするガーパイク類は硬骨魚類の中でも原始的な形質を持ついわゆる古代魚で、1億年以上も前の地層から現存種とほとんど変わらぬ姿を残した化石が得られている。
ガノイン鱗もポリプテルスやチョウザメなど原始的な硬骨魚類に共通する特徴である。

利用・・・実はスポーツフィッシングのターゲット
原産地ではスポーツフィッシングの対象魚となっており、本種専門のフィッシングガイドも存在する。image14

また、あまり一般的ではないが(遊漁では普通、キャッチアンドリリースされる)食用とされることもあり、フライやソテーで供されている。肉は脂気が少なく、鶏の胸肉に似た味と食感で調理法次第ではそれなりに美味。ただし市場に出回ることは無い。p8132725-001アリゲーターガーのソテー

捕獲方法・・・釣りやボウフィッシングで
原産地では魚の切り身や生きた小魚を用いて釣り上げられる。
p8132655原産地にはアリゲーターガー専門のフィッシングガイドもいる。世界中からひっきりなしに物好きな釣り人が訪れるそうだ。

特にテキサス州のトリニティ川で盛んに行われており、現地では野生化しているコイを捕らえてぶつ切りにして使用する。餌はかなり大ぶりで、全長60~70cmほどのコイであればおよそ三等分にして用いられる。

歯が鋭く、普通の釣り糸では簡単に切断されてしまう。そのため、ハリスにはワイヤーを用いる。
また、口周りの骨格が頑強すぎて釣り針がなかなか刺さらないため、餌をしっかりと(長い時では20分近くも)食い込ませて喉元に針を掛ける。
多くの場合はキャッチアンドリリースを目的としているため、使用する釣り針は軸が細くて脆く、すぐに錆びる製品を使用するという。
たとえ釣り上げた後にうまく針を外せなくても、せめてすぐに腐食して脱落することを狙っての工夫であるらしい。p8132665脆くてすぐ錆びる安物の釣り針を使うのが道具選びのポイントらしい

また、呼吸の前後に必ず水面へ姿をあらわすこと、またその際に悠々と漂うように泳ぐため狙いを定めやすいことからボウフィッシング(弓と矢による遊漁)やスナッギング(ひっかけ釣り)によっても捕獲されることがある。ボウフィッシングの場合は生かしたままリリースすることができないため、解体して食される。

なお、小型個体のものであってもガノイン鱗は包丁を通さない。imgp1087
解体には小型の場合でもノコギリ、大型個体では斧やグラインダーで表皮をガノイン鱗もろとも切り裂く必要がある。


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