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【首都スポ】

大学野球 吉野涼、充実のデビューシーズン 東京国際大のクール左腕

2016年11月9日 紙面から

今秋デビュー、創価大の田中と投げ合った東京国際大の吉野涼投手=9月24日、さいたま市の岩槻川通公園で(小原栄二撮影)

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 プロ野球のドラフト会議で5球団が1位入札で競合し、ソフトバンクが引き当てた創価大の156キロ右腕、田中正義投手で沸いた2016年の東京新大学野球リーグ。この秋は、東京国際大のクール左腕、吉野涼投手(1年・千葉敬愛)がデビューし、田中とも互角に投げ合った。共栄大の清水蓮投手(1年・樹徳)は春秋合わせて7勝し、リーグの最優秀新人に輝いた。田中らはいなくなるが、イキがいいルーキーたちがリーグを盛り上げていく。 (小原栄二)

 創価大の田中と投げ合ったのが自信になった。9月24日、開幕3連勝同士で絶対に負けられない試合を、吉野は7回まで2安打無失点。0−0のまま降雨コールドで引き分けたが、内容も全く負けていなかった。「あのときは絶好調でした。変化球もストレートも低めに集まれば打たれることはないという感じだった。それができれば、今後も抑えられると思う」

 先発陣に故障者が出て、8月31日の開幕・高千穂大戦で先発デビュー。7月下旬に左太もも裏を肉離れし、8月中旬からピッチングを再開したばかりのぶっつけだ。「監督からは、1年生だから点を取られてもいい、思い切って行け、負けても大丈夫と言われました」。中盤で降板したが、打線の援護も受け初勝利。最速は132キロながら、スライダー、チェンジアップ、フォークを操り、四球が少ない制球力で打たせて取るのが持ち味。次カードの流通経大戦で初完封も飾った。

 もともと左利きだが、習字を右に矯正されたおかげで、字を書くのは両利き。「漢字練習では2列いっぺんに書いて、マス目を埋めていました」という器用さもあり、フィールディングもいい。千葉敬愛高の山崎祐司監督に言われた「おまえが抑えれば勝てる」を胸に刻んで「いつもゼロに抑えるつもりでいます」。今秋最終登板の10月末の流通経大戦では、来年から社会人でプレーすることになった生田目と9回まで0−0で投げ合い、タイブレークで振り切った。7試合で3勝3敗、防御率1・90は、今季に限れば、最優秀新人の共栄大・清水に負けていない数字だ。

 シーズンを終えて実感したのは体力不足。「チームは4位。自分がカードの1戦目を投げて、2連勝した後3連敗した。それが原因。自分が頑張れば、もっと上に行けた」。高校のときより体重は4キロ増えたが、それでも67キロ。179センチとしてはまだ細身だ。「基礎体力をつけながら体重も10キロぐらい増やしたい」というのが今オフの目標。もう1つの課題は後期試験。「前期で(単位が)半分も取れなかったので勉強しないと…」と照れ笑いした。

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