中国貿易 輸出入とも前年割れ続く

中国貿易 輸出入とも前年割れ続く
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中国の先月の貿易統計は、輸出額が7か月連続で、輸入額は2か月連続でそれぞれ前年割れの水準となり、政府が景気の下支え策を続けているものの中国経済は内需、外需ともに力強さを欠く状況が続いています。
中国の税関当局が発表した貿易統計によりますと、先月の輸出額は1781億ドルで、前の年の同じ月に比べて7.3%の減少となり、7か月連続で前年割れとなりました。これは欧米や日本向けを中心に衣料品や家具、それに自動車部品の輸出が落ち込んだことなどによるものです。

また、輸入額は1291億ドルで、液晶パネルや工作機械などの取り引きが振るわなったことから、前の年の同じ月に比べて1.4%減少し、2か月連続で前年割れとなりました。

この結果、先月の貿易総額は3072億ドルで、4.9%減少しました。中国政府は、安定した成長を維持するためにインフラ建設の拡大や自動車の販売の促進など景気下支え策を続けていますが、今回の統計は、貿易面から見て中国経済が内需、外需ともに引き続き力強さを欠いていることを示した形です。

中国経済の専門家は「世界経済の回復の遅れもあって輸出は当面厳しい状況が続くとみられ、中国政府が今後、国内産業を下支えするために財政出動を一段と強めるか注目される」と話しています。