【コラム】アベノミクスの成功と韓国政治

【コラム】アベノミクスの成功と韓国政治

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相には共通点が多い。親の威光を背にした「世襲政治家」で不動の支持層を持つ。朴大統領は朴正熙(パク・チョンヒ)時代を懐かしむ高齢層や特定地域による圧倒的支持を受けた。安倍首相は慰安婦の存在など侵略戦争を否定する極右傾向の有権者が確実な支持基盤だ。

 朴大統領が「手帳姫」「不通(意思疎通できない)政治家」と批判されているように、安倍首相にも短所が多い。第1次安倍政権(2006-07年)には個人的に親しい政治家を多く抜てきし、「お友達内閣」などと皮肉られた。極右傾向の発言を乱発し、外交的対立を招いた。

 しかし、就任から4年目を迎え、2人の運命は分かれた。安倍首相は60%前後の支持率を維持している。与党自民党は総裁任期の制限を緩和し、安倍首相が2021年まで政権を担当できる道を開いた。これに対し、朴大統領は総選挙での惨敗に続き、「崔順実(チェ・スンシル)事件」で辞任要求にも直面している。

 安倍首相の人気の秘訣は「アベノミクス」と呼ばれる経済政策だ。朴大統領も「クンヘノミクス」を掲げた。いずれの政策も分配より成長を重視するという共通点があるが、最近クンヘノミクスは姿が見えない。アベノミクスの成功は特別な理論があったからではない。安倍首相の強いリーダーシップで自民党を掌握し、野党を無力化し、圧倒的な推進力で政策を展開しているからだ。自民党内部が反発する「農業改革」、特定地域で規制を緩和する「戦略特区」、極右勢力が反対する「移民拡大」などさまざまな政策を推進している。アベノミクスの成功をめぐっては反論も存在するが、日本に変化と活力をもたらしたという点では異論の余地はない。

車学峯(チャ・ハクポン)産業1部長
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