埼玉県内の浄水場工事の入札を巡り、業者に便宜を図る見返りに現金約20万円を受け取ったとして、警視庁捜査2課は9日、「坂戸、鶴ケ島水道企業団」(同県坂戸市)の浄水課主査、鴨志田穂積容疑者(60)=同県鶴ケ島市松ケ丘4=を収賄容疑で逮捕した。水道工事会社「協和水環境システムズ」(東京・足立)元社長、秋山信芳容疑者(48)=千葉県松戸市中和倉=も贈賄容疑で逮捕した。
同課によると、鴨志田容疑者は「(業者を)有利にしようと思ったわけではない」、秋山容疑者は「(鴨志田容疑者が)生活に困っているのを助けようとした」と、それぞれ容疑を否認している。
鴨志田容疑者の逮捕容疑は2015年9月ごろ、企業団が同年6月に実施した浄水場の設備工事の入札を巡り、協和水環境システムズが落札できるよう有利な取り計らいをした謝礼や今後も同様の便宜を求める趣旨と知りながら、現金約20万円を受け取った疑い。秋山容疑者は現金を渡した疑い。
捜査2課などによると、鴨志田容疑者は浄水場の維持管理や工事の監督などを担当。問題の入札の数日前までに工事の関連資料を秋山容疑者に渡し、同社が受注できるよう手助けしたとされる。
坂戸、鶴ケ島水道企業団は坂戸市と鶴ケ島市の上水道を整備・運営するために発足した特別地方公共団体で、職員は地方公務員。協和水環境システムズは自治体などから水道関係の設備工事を請け負っている。