大規模陥没 夕方にも埋め戻し 復旧作業着手へ

大規模陥没 夕方にも埋め戻し 復旧作業着手へ
8日、福岡市のJR博多駅前で道路が大規模に陥没した現場では、特殊な土砂を投入し穴を埋め戻す作業が続けられています。福岡市は、早ければ9日夕方にも地下3メートル付近まで穴を埋め戻し、陥没で影響を受けたライフラインの復旧を加速させることにしています。
8日午前5時すぎ、福岡市博多区のJR博多駅前の道路が縦横およそ30メートルにわたって大規模に陥没し、付近の4つのビルに避難勧告が出ているほか、一部で断水するなどライフラインへの影響が続いています。
陥没は市営地下鉄の延伸工事が原因とみられ、福岡市は夜を徹してセメントなどを混ぜた特殊な土砂を投入し穴を埋め戻す作業を続けています。

福岡市によりますと、埋め戻しに必要な土砂は少なくともおよそ7000立方メートルと見込まれていて、これまでに3割に当たる2000立方メートル余りを投入したということです。
水道管や送電線など陥没で影響を受けたライフラインの復旧作業に着手するには、地下3メートル付近まで埋め戻す必要があり、福岡市はこれまでに地下6メートル付近まで埋め戻したとしています。

福岡市は、今のペースで作業が進めば、早ければ9日夕方にも地下3メートル付近に達する見込みだとしていて、その後ライフラインの復旧を加速させることにしています。
一方で、復旧作業にかかる時間は今のところ見通しが立っておらず、早期の復旧に向け検討を進めています。

「14日までに通行再開を」

8日、福岡市のJR博多駅前で道路が大規模に陥没した事故で、付近のガスや水道、それに通信回線などに影響が出ていることから、福岡市は、ライフラインの復旧に向けた会議を開きました。会議のあと、福岡市の高島市長は今月14日までに陥没した現場の通行を再開したい考えを示しました。
9日午前、福岡市中央区で開かれた会議には、福岡市の高島市長や九州電力、西部ガス、NTT西日本の担当者など合わせておよそ70人が出席しました。
会議では、9日中にライフラインの復旧作業ができる高さまで埋め戻し、今月13日までにライフラインの仮復旧を終えたうえで、今月14日までに車や人が通行できるようにすることを確認したということです。
福岡市の高島市長は、会議のあと、報道各社の取材に対し、「きょう中にライフラインの復旧作業ができる高さまで埋め戻しをしたうえで、まずは来週月曜日までに車や人が通行できるようにすることを目指したい」と述べました。

営業再開の動きも

福岡市のJR博多駅前で起きた陥没事故のため、8日に営業休止などの影響が出た駅周辺の商業施設の中には、営業を再開する動きも出ています。
このうち、大型商業施設の「KITTE博多」は、8日、停電が起きたため184の店舗がすべて休業しましたが、9日は営業再開を前に午前中、各店舗が準備に追われていました。
地下1階の飲食店では、8日、冷蔵庫が使えず食材を廃棄したり、別の店舗に運び出したりしたため、9日、従業員が新たに食材を運び入れて仕込みをしていました。
飲食店の店長の男性は「けさは食材を運び込む作業が大変でした。きのうの分も頑張りたいです」と話していました。
「KITTE博多」では通常どおりの午前10時に営業を開始し、開店を待っていた客が次々と訪れていました。
ふだんは営業開始が早い一部の店舗も、9日は午前10時に合わせて営業を再開したということです。
「KITTE博多」の三須昌二館長は「停電していたためなま物などへの対応に苦労しましたが、なんとか10時に開店できました」と話していました。