こんにちは、NAEです。
ぼくはITやデジタルまわりの変革の旗振り役を生業としているコンサルです。
デジタルまわりの動向をチェックしないわけにはいきません。
こんな記事を見ました。
日本企業の課題は「市場投入速度」:「デジタルトランスフォーメーション」と企業成長の相関関係が明らかに CAが調査 - @IT
8割以上の日本のデジタル変革のビジョンがあり、投資もしている
この記事の調査いわく、調査対象の日本企業の8割以上が
- デジタル変革のビジョンを持っている
- 実際に投資も行っている
とのこと。世界平均と比べて遜色のない数字とされています。
これだけ見ると日本企業は先進的な取り組みにチカラを入れていると思いますよね。
投資していることと本気であることは違う
しかし、ぼくの見立ては逆です。
ビジョンはある。投資はしている。しかし実効性が小さい範囲でチマチマとやっているのでは、と見ています。
この調査では実際の投資額や投入工数(人数)は言及がありません。
一人が片手間で週に3時間デジタルのビジョン策定や小さなPOCをやっていたとしても、それらの質問にはYesと答えられてしまうのです。
実態がわからない以上、この調査の数字を信用するべきではありません。
肌感覚で予測する、日本企業のデジタル変革の実態
ぼくのこれまでの経験上、日本の企業におけるデジタル変革活動の特徴は以下のとおり。
- IT部門が主導して行う
- 「デジタルイノベーション部門」的なモノを作る
- 予算は少なめ(IT予算内のごく一部)
これねー、失敗するパターンなんですよね。
だってデジタルイノベーションはビジネスイノベーションと切っても切り離せない。
ビジネス部門とタッグを組まない時点で
「あいつらなんか物珍しいことやってんな。おれら関係ねーよ」
と他人顔されます。
また予算少なめ=リーンスタートアップのアプローチをイメージしてるんでしょう。
が、スタートアップはビジネスとITの両輪でできていることを忘れてしまっては困ります。
少ない予算で試す、というポイントだけピックアップされてしまう。1つの成功の裏に100の失敗があることに目をやらない。
まとめ
こういう調査結果は「いい部分の切り取り」になっていることがあります。
数字だけを信じず、実態をきちんと把握しないと、間違った判断に陥る可能性があるのでご注意を。
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