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根強い「トランプリスク」、金融市場に緊張感

読売新聞 11/9(水) 7:16配信

 米大統領選の大勢が日本時間9日昼にも判明するのを前に、金融市場の緊張感が高まっている。

 世論調査では民主党候補のヒラリー・クリントン氏が優位に立つものの、リードは僅差にとどまり、共和党候補ドナルド・トランプ氏が当選する「番狂わせ」に対する不安は根強い。結果次第では金融市場が世界的に混乱する可能性もある。

 「為替の安定は大事だ」。麻生財務相は8日の閣議後記者会見で市場の不安定な動きには必要に応じて対応する考えを示した。

 日本政府は選挙結果を受けて、急激に円高・株安が進むことを懸念している。安倍首相は8日、財務省の浅川雅嗣財務官を首相官邸に呼び、金融市場の動向を注視するよう指示した。

 金融市場が警戒するのは、英国が6月下旬に実施した国民投票で、欧州連合(EU)離脱派が想定外に勝利した苦い経験があるからだ。直前の世論調査では残留派が優勢だっただけに金融市場は大きく混乱し、円相場は1ドル=99円台まで急伸し、世界の主要株価指数が軒並み暴落した。

 わずか4か月前と記憶に新しく、投資家の多くが「トランプ・ショック」を警戒している。トランプ氏が大統領に就いた場合、想定しないような政策を打ち出し、米経済や金融市場が混乱するとの懸念が根強い。

 8日の東京金融市場は、米大統領選の結果を見極めようと、売買を手控える投資家が多く、極めて小幅な値動きとなった。

 日経平均株価(225種)の終値は前日比5円83銭安の1万7171円38銭だった。東京外国為替市場の円相場は午後5時、前日(午後5時)比02銭円高・ドル安の1ドル=104円41~43銭で大方の取引を終えた。

 クレディ・スイス証券の市川真一氏は、「仮にトランプ氏が当選すれば、日経平均は早期に1万5000円を割る可能性が高い」と指摘する。外為どっとコム総研の神田卓也氏は「円相場は1ドル=98円台をつける可能性もある」と話す。

最終更新:11/9(水) 9:41

読売新聞

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