今回は、台湾の鉄道について取り上げてみたい。この連載としては初めての海外ネタだ。
とはいっても、筆者が台湾に行ったのはたった1日だけ。以前記事にしたLCCの「Vエア」(9月末で運航終了)の深夜便を使って台湾に入り(関連記事「台湾カワイイ系LCC「Vエア」は全てが衝撃的だった」、台北を同じく深夜に出る「バニラエア」で日本に戻ってきた。セール運賃を使ったので、かかった費用はトータルで3万円弱。東京から大阪に新幹線で日帰り旅行に行くのと大差ない。
たった1日で何ができるのか、とお思いの読者もいるだろうが、意外にも鉄道で台湾をぐるりと一周できる。台湾の大きさは九州と同程度。そして九州に九州新幹線があるのと同じように、台湾の西海岸には南北を縦断する台湾新幹線が走っており、短時間でかなりの距離を稼げるのだ。
日程的には国内気分で行けるとはいえ、やはり海外。日本の鉄道とは異なる部分も多く、かなり面白かった。どんな体験ができたのか紹介していきたい。
新幹線の駅は空港からわりと近い
台北・桃園国際空港に到着したのは朝の6時過ぎ。早朝なので空いているかと思ったら意外に到着便が多く、入国手続きに想定以上の時間を取られてしまった。ATMで現地通貨をキャッシングしたり(そのほうが外貨両替よりも安い)、コンビニでWi-Fiルータを受け取ったり(早朝なので現地のSIMカードは購入できなかった)しているうちに、あっという間に7時を回ってしまった。
桃園国際空港からはリムジンバスで台北市街へと向かうのが一般的だが、今回はシャトルバスで高鐵桃園駅へと向かう。高鐵とは高速鉄道の略で、台湾新幹線のこと。実は空港に近いところに駅があり、そこから南部の都市・高雄へと向かえば、台北市街にいったん出るよりもかなりの時間短縮になる。
シャトルバスは15分ほどで高鐵桃園駅に到着。途中、鉄道らしき高架橋が並走していたのが気になっていたのだが、あとで建設中の空港連絡鉄道ということが分かった。この路線ができれば、空港から台北市街や高鐵桃園駅が鉄道でつながり、かなりの時間短縮になりそう。ただ不具合があるとかで開業時期は延期に延期を重ねており、2017年中の開業も断念したそうだ。
外国人専用の割引切符に落とし穴!?
新幹線のチケットは事前に予約していた。公式ウェブサイトには記載がないのだが、実は現地の旅行会社経由で外国人専用の割引切符が購入でき、割引率は20%。今回は台湾の旅行予約サイト「KKday」で買っておいた。公式ウェブサイトには10~35%引きの早期購入割引があるが、列車によっては割引率がまちまち。確実に20%引きになる外国人専用切符のほうが得なことが多い。
ただデメリットもある。メールで送られてきたバウチャーとパスポートを有人窓口で提示し、実際の切符に引き換えなければいけないのだ。しかも改札口でもパスポートを見せなければいけないため、有人改札を使う必要がある。乗りたい列車の出発時刻が迫っていたのに駅員が離れた場所で他の乗客に応対しており、乗り遅れるのではないかとヒヤヒヤした。