自死遺族の自助グループ「しまね分かち合いの会・虹」が8日、島根県津和野町の広報誌11月号で「健康コラム」に「自死は地獄の入り口」などの記述があったとして、町に謝罪などを求める意見書と要望書を提出した。コラムの筆者は、町の自殺防止事業にも関わる開業医。島田賢司副町長は「心からおわびします。原稿のチェックミスでした」と謝罪した。町はホームページと広報誌1月号におわび文を掲載する。
開業医は「皆でいのちを支える町づくり」と題したコラムで、自殺防止を「住民全体で優しい気持ちを持って対応すればもっと効果が出ると信じています」などと記した。
その中で宮藤官九郎監督の映画「TOO YOUNG TO DIE!」のストーリーを引用する形で「自殺は地獄へ落ちるとされています」「自死は地獄への入り口です」と記述した。
町によると、コラムは町職員や外部の筆者による不定期掲載。担当課で原稿をチェックし、最終的に町長が確認したという。
会の代表、桑原正好(しょうこ)さん(66)=出雲市=は町に「懸命に生きた人たちの尊厳を傷つけている」などと訴えた。また、自殺防止に取り組む町が今回のコラムを掲載したことを問題視し、遺族感情への配慮を求めた。
コラムを書いた開業医は電話取材に「宮藤監督の映画を見て自死について広く一般の人に関心を持ってほしいという趣旨で紹介した。遺族の方を傷つけるつもりはなく、感情を害したのなら謝りたい」と話している。
【横井信洋】
現代奴隷の目撃写真
この2年あまり写真家のリサ・クリスティンは世界中を旅して、我慢できないほど過酷な現代の奴隷の現実を記録してきました。彼女はガーナの鉱夫やネパールでレンガを運び出す人々等、心に残る写真を紹介しながら、世界中で奴隷扱いされる2千7百万人に上る人々の窮状を訴えます。