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アイフォーンの風吹かず 5社で減収

 米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売の伸び悩みが、関西の電子部品大手の業績の下押し要因となっている。京セラ、日本電産、村田製作所、日東電工、ロームの大手5社の2016年9月中間連結決算はいずれも減収で、営業利益は4社が減益だった。円高に加え、アイフォーンの販売不振が主因。9月に発売されたアイフォーン7も、1年前に発売された前機種に比べると、今のところ部品生産の追い風にはなっていない。

     経済産業省の鉱工業生産指数(2010年=100)の中の電子部品・デバイス工業の生産を見ると、「6S」が発売された15年9月は101.6だが、「7」が発売された今年9月は95.2と低水準のまま。最近は8カ月連続で100を割っており、「7」の発売を控えても過去の発売時より勢いは鈍い。

     村田製作所は売上高が前年同期比7.9%減、営業利益が28.7%減った。同社はスマホ向けに電圧を安定させるコンデンサーなどが主力製品。村田恒夫社長は「スマホの高機能化で部品の数は増えたが、為替や製品価格下落で売り上げは減った」と説明。アイフォーンについては「戦略かもしれないが、前機種は立ち上がりがシャープだったが、今回はそうではない。今後は次第に伸びてくると思う」と述べ、出足の鈍さを指摘した。

     京セラの売上高も、9.6%減。複数の部品を販売するスマホ向けに限れば5~10%減った。山口悟郎社長は「受注が後ずれしている」として下期での巻き返しを期待する。日東電工も売上高が14.6%減、営業利益は51.3%減。「新モデルの立ち上がりが遅れ、市場の盛り上がりに欠けた」(武内徹常務)ことから、液晶部材である偏光板の販売が振るわなかった。

     新型アイフォーンの出足が鈍い一方で、安価な中国メーカー製の台頭は著しい。スマホ向けバックライトを生産するオムロンの鈴木吉宣副社長は「数年前は(アイフォーンのような)高価格品が市場をけん引していたが、中国勢の中価格以下の製品シェアが拡大している」と指摘する。村田製作所は「中国メーカー向けの販売が前年同期比で2割程度増えた」(村田社長)といい、アップル以外への部品販売を強化している。【宮崎泰宏、久野洋】

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