【侍ジャパン】小久保監督が中田を名指し注意“ツバ吐くな”
来春の第4回WBCを控える野球日本代表の侍ジャパンが7日、QVCマリンフィールドで練習を行い、10日からのメキシコ、オランダとの強化試合に備えた。準備は着々と進んでいるが、小久保裕紀監督(45)ら首脳陣が本番を見据えて“前のめり”になっているのに対して選手たちにはどこか冷めた空気が漂う。この温度差の原因は何なのか――。
吹きすさぶ寒風の中、侍の面々たちは黙々と約3時間に及ぶ練習メニューをこなした。守備練習に重きを置いたシート打撃も行われ、小久保監督は「限られた人数しかいないので自分のチームで守っているポジション以外を守ってもらう可能性もある。シートノックよりは、より準備としていいと思った」と一部野手に複数ポジションを守らせた意図を説明した。
しかし、鼻息の荒い指揮官とは対照的に、チーム全体のスイッチはまだ「ON」へ切り替わっていない。それを象徴するかのような出来事が6日の練習初日に起こっていた。
東京都内の選手宿舎で行われたチームミーティングで、いきなり小久保監督が全員の前で中田翔内野手(27)を名指しで“糾弾”したというのだ。チーム関係者は「中田がCSや日本シリーズで時折見せていたツバ吐き行為を注意したのです。小久保監督はNHKの解説者として試合中継を目にする機会が多く、その際にテレビカメラに映し出された中田の行為を見たようで『チームでは黙認されても代表では許されない。侍の武道精神にも反するからやらないように』とクギを刺した」と明かす。
たとえ日本一チームの4番であっても容赦はしない。小久保監督としては、断固たる姿勢を見せることで、本番に向けて早々と引き締めを図った格好だろう。ところが、その狙いは今のところ空回りしてしまっているのが現状のようだ。
「まだシーズンが終わったばかりで選手たちは疲れが抜け切れていない。日本シリーズを戦った日本ハムや広島の選手たちはなおさらです。しかも今回招集された代表メンバーは確定ではないし、明らかに保険的な選手も複数いる。本番のWBCではメンバー構成が大きく入れ替わる可能性があるにもかかわらず『こんな早い時期から武道精神うんぬんと言われても…』という戸惑いの声もチーム内から出ているのは事実」(前出関係者)
チーム内での指揮官と選手の“温度差”は想像以上に大きいようだ。