【講師の指切断】“男性大歓迎”するバレエ教室の実情
東京・渋谷のバレエスタジオで今年7月に女性講師(24)の右手親指をブロックタガネとカナヅチで切り落としたとして、傷害罪に問われた元生徒の住所不定無職橋本浩明被告(41)の初公判が7日、東京地裁(菅原暁裁判官)で行われた。
丸刈りの橋本被告は起訴内容について「間違いありません」と認めたが、犯行当時、自ら110番通報したことから弁護人は「自首が成立する」と主張。減軽につなげたい考えだ。
バレリーナの指を切り落とす卑劣な犯行は当時、センセーショナルに報じられた。また、生徒獲得のために、バレエに縁がなさそうな初心者中年男性も体験入会などで受け入れざるを得ないバレエ教室の実情が取りざたされた。
橋本被告は高校卒業後、パチンコ店従業員や配管工、整体師など職を転々。事件を起こした7月は無職だった。2014年11月にバレエ教室に入会。昨年5月から女性講師が担当するグループレッスンに通っていたが、レッスン中に講師に暴言を吐くなどの問題行動がやまないため、昨年10月に教室が退会通告していた。
動機について「昨年8月から練習の時間を教えてもらえないなど嫌がらせをされた」と供述。6月に凶器のタガネとカナヅチを購入し、女性講師が1人でスタジオを開ける曜日を狙って7月6日、講師の首を絞めて失神させた隙に右手の親指を工具で切断する凶行に及んだ。
事件以前に、現場のバレエ教室への体験入会を考えていた40代男性は「あの教室は若いキレイどころの女性講師ばかりを揃え、ホームページでも顔出しで“男性大歓迎”と募集をかけていて、下心ある男が見たらまるでキャバクラのように見えた」と指摘した。
男の勝手な欲目でキャバクラ扱いされてはたまったものではないが、男性歓迎をうたったことでトンデモ生徒を寄せ付けてしまったのは間違いなさそうだ。