博多駅前で道路陥没=地下鉄延伸工事が原因−空港などで停電も・福岡

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 8日午前5時15分ごろ、福岡市博多区のJR博多駅前で工事作業員から「道路が陥没した」と110番があった。福岡県警博多署などによると、市道が長さ約30メートル、幅約27メートル、深さ約15メートルにわたり陥没していた。同市消防局によると、現場付近のビルが停電し、その際に70代女性が転倒。体の右半分を打撲するけがをした。

 福岡市は同9時45分に、同区博多駅前2〜3丁目の住民に避難勧告を出し、区内の公民館に避難所を開設した。

 福岡市交通局によると、現場では当時、市地下鉄七隈線の延伸工事中だった。地下約25メートル地点を掘削機で掘っていたところ、上から水が漏れ出したため工事を中止。博多署に要請して付近を交通規制した約5分後に道路が陥没したという。市は工事が原因と認めた。

 市は、トンネルを掘っていた岩盤の上にある地下水を含んだ砂の層から水が漏れた可能性があるとみている。高島宗一郎市長は同日午前に記者会見を開き、「市の工事で市民に多大な迷惑をお掛けし申し訳ない。原因を究明し、再発防止に全力を挙げたい」と謝罪した。

 現場周辺では道路の陥没直後に最大約800戸が停電した。午前8時半時点で、福岡空港国際線ターミナルやJR博多駅の一部など172戸が停電。九州電力が関連を調査している。