どうなる米大統領選 緊張高まる金融市場

アメリカ大統領選挙の開票が迫り、金融市場では、仮に共和党のトランプ候補の優勢が伝われば、急速な円高や株安が進むなど大きな影響が及ぶ可能性もあると見て、緊張感が高まっています。
アメリカ大統領選挙で、共和党のトランプ候補が攻勢を強めた先週、金融市場では、投資家の間でリスクを避ける動きが広がりました。
外国為替市場では、比較的安全な通貨とされる円が買われ、1ドル=105円台から、一時102円台まで円高が進み、東京株式市場では日経平均株価が1週間で500円以上下落しました。

これは、もしトランプ候補が勝てば、世界経済の先行きやアメリカの対日政策が不透明感を増すという、いわゆる“トランプ・リスク”が背景にあります。

しかし、民主党のクリントン候補のメール問題を再捜査していたFBI=連邦捜査局が6日、訴追を求めないという結論に変わりはないと明らかにしたことから、今週に入って、外国為替市場では一転して円安が進み、日経平均株価も上昇傾向に転じました。

市場関係者の間では、これからの開票作業で、仮にトランプ候補が優勢だという情報が伝われば、改めて“トランプ・リスク”が浮上し、急速な円高や株安が進むという見方が多くなっています。

トランプ候補が対日政策で強硬な姿勢を示す中、産業界でも緊張感は高まっていて、日産自動車の西川廣人副会長は7日の決算会見で、アメリカ大統領選挙について、「固唾を飲んで見ている。選挙結果が自動車業界に影響がないわけはなく、結果を見て対応していくしかない」と述べました。

アメリカ大統領選挙の行方は、世界経済の先行きや日本企業の経営戦略に大きな影響を及ぼす可能性があるだけに、9日の金融市場は、開票状況をにらみながらの緊迫した展開となりそうです。