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大きくなっちゃった

アトリエL

形態
ショート
難易度
不明
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~12人
英雄
6人 / 0~12人
報酬
普通
相談期間
7日
完成日
2016/11/02 20:06

掲示板

オープニング

「な、なんだこれは?!」
 突然感じた違和感。それは全てのモノが小さく感じられる中二病的な感覚といえばよいのだろうか。
「これは……夢なのか?」
 足元に広がるのは小さなミニチュア。
 自分の両手を見ればそこにあるのは怪獣のような大きな手。
 誰がどう見てもきぐるみにしか見えないそれは実際きぐるみそのもののはずだ。何故なら彼は直前までバイトでスーツアクターとして働いていたのだから。
「顔を隠して働きすぎたんだろうか……」
 彼はヴィランだ。過去に銀行強盗を行い失敗した結果、仲間を置き去りにして逃げ出し、指名手配されている犯罪者である。
 そんな彼にとってスーツアクターのバイトは顔を隠してお金を稼ぐことができる数少ない仕事であり、ヴィランであるためリンカー同様共鳴さえしていれば一般人からの攻撃は通じない。
 都合のよい天職であったのだ。
「うわー、働きすぎたかなあ俺……」
 そんな彼は巨大化した現実を夢だと思い込んでいた。

 正体不明のドロップゾーンの調査。それはHOPEにやってきた依頼の一つだった。
「具体的なドロップゾーンの性質は不明ですが、内部で巨大な怪獣が確認されています。怪獣とドロップゾーンの関係の調査および可能であれば原因となっているであろう従魔か愚神の排除を行ってください」
 巨大な怪獣は見た目はただのきぐるみだが、大きさはきぐるみ以外の可能性を主張している。その背中にはピカピカと光る石のようなものが取り付いており、その存在を主張していた。

解説

内部に転がっているピカピカ光る石を身につけていると巨大化するドロップゾーンの調査です。
きぐるみ怪獣はボイスチェンジャー機能つきで何か叫んでます。気にしたら負けです。
近くの会場で用いられていた怪獣のきぐるみとよく似てますが、当然サイズが違うので関係ないに違いない(断言
ちなみに近場で使われていたものは一人では脱ぐことができないタイプで背中のチャックがちょっと見えてるくらいにくたくた感が満載です。
ピカピカ光る石はドロップゾーン内部にいる二足歩行のトカゲが時折ぽとぽと落としているようです。
石は衝撃を受けると結構簡単に壊れます。

プレイング

布野 橘aa0064
人間|19才|男性|攻撃

「」は橘の、『』はアルテミスのセリフ

●心情
「怪獣出現!? 市民に危害を加えさせるワケにはいかねぇ。出撃だ!!」

●行動(戦闘前)
まずは怪獣の足元まで移動。
敵の動きを観察して次の一手を考える。
「デケェ。こんなヤツ、どうやって……」
その時、踏まれそうになるなり瓦礫が降ってくるなり。
咄嗟に逃げようとすると、転んでうっかりピカピカ光る石に触ってしまう。
同時に共鳴、巨大化!

●戦闘
『ヘァッ!』
まずは格闘で様子見。
殴ったり、殴ったり、あと殴ったり。

『デュワッ!!』
敵の間合いが分かったら、武器をアルマスブレイドにチェンジ。
側面に回り込みつつ、敵が大きく怯むタイミングを作るべく切りつける。

『ダァァーーーッ!!』
敵が怯んだ瞬間、武器を竜玉にチェンジ、胸部プロテクターの中央にセット。
握った両の拳を胸の前でX字に組んで、直線的なビームを照射する!
倒せなくてもいい。これが、今の自分が持てる、最大限の力だから!

※自分が暴走してしまったら
誰かが止めてくれるはず。その時には、自分が怯んでピンチになるかもしれない。

●行動(戦闘後)
共鳴を解除して、仲間の報告を聞く。
ドロップゾーンはどうなったか、愚神や従魔はいたのか。
まだ愚神や従魔を討伐できていない場合は即撃破に向かい、加わる。メイン武器はアルマスブレイドによる接近戦。

全てが終わった後……。

『橘。キミにはまだ、私の力が必要なのだろう。この、ルナセイバーたる、アルテミスが』
「……そうかもな。お前がいなかったら、死んでたかもしれない。感謝してるぜ」
『だが、いずれは別れる日が来るだろう。その時はきっと』
「まださ」
『まだ……?』
「今考える必要はねーってこと」
『ならば約束しよう。私がキミの下を離れる時は、月の横を、ひとつの光が宇宙へ飛んでいく』
「それがお前、か」
ミク・ノイズaa0192
機械|16才|女性|攻撃
「さて、これはどうしろと・・・」
『なんだか盛り上がってるけど、あれ、着ぐるみでしょ・・・?』

とりあえず、ドロップゾーンの範囲を確認
同時に一般人が立ち入らないように注意喚起
発見した光る石は発見し次第、その場で槍で壊していく
『万華鏡の豆知識。バストのカップは、トップとアンダーの差で決まるのよね。つまり、大きくなればマスターも・・・・ごめんなさい、無言で契約破棄しようとしないで(汗』

二足歩行のトカゲを発見しても先ずは行動観察

光る石で巨大化する面々に関しては、周囲に被害が出ないようならば放置
多少の攻撃ならば、インタラプトシールドで被害の軽減を図る程度にとどめる
ただし、大きいまま逃亡したり周囲に著しい被害が発生しそうな場合は容赦なく攻勢に移る
フリーガーファウストG3(範囲攻撃)によるウェポンズレイン(範囲攻撃)という飽和攻撃で身につけている石の破壊を試みる
『・・・これ、味方も巻き込み・・・・』
「かまわん。被害拡大要因だ。」
月鏡 由利菜aa0873
人間|18才|女性|攻撃
【導入】
人員不足を見かねた由利菜が急遽参加を申し出る
『クレ…ユリナ、今度は身体が大きくなるんだね~。ドロップゾーンってたまに楽しそうな効果もあるよね?』
「…リディス、後々とんでもない事態に発展することもあるのよ?」(※七翼ベル関連の依頼を指す)
『…もう、分かってるよ。楽しんで、愚神や従魔も倒しちゃおうね?』

【行動】
ドロップゾーン内を探索、着ぐるみ怪獣を倒す(布野や町田と同行)
人が生き残っているなら救出

着ぐるみを見て
「…かなり使い込まれたものがベースのようですね…」
『本当に従魔や愚神は何でも取り憑くんだね…』

トカゲから光る石を回収し、怪獣と相対したら大きくなる
『あたし達も対抗しなくちゃね!それっ、ビッグの術!』
「あ、あまり気は乗りませんが…止むを得ませんね」

【戦闘】
☆装備
攻撃:グングニル
防御:アイギスの盾
移動&回避:礼装剣・蒼華

☆戦術
戦闘前、布野(アルテミス)と町田へリジェネ―ション
『レナトゥス…!』
「私は大丈夫です。アイギスの盾もありますから」

手足を攻撃して移動や攻撃封じを狙う


ブラッドオペレート
必殺技演出:グングニルで魔法陣を照射後(※アイテム改造文章に表記)、ライヴスの真紅の穂先を宿し突進
『ユリナ!お願い、あたしの力で必殺技を放って!まだあたし、ユリナに頼らないと辛いんだ…!』
「わ、分かったわ…!魔法陣、照準セット!」
「汝を貫くは真紅の槍!穿て…ルベル・クリス!!」
「はあああぁぁぁぁっ!!」

減退発生、尚且つもし怪獣が人間だった場合はクリアレイと応急セット使用

後でヴィランと知って
『どうして…悪い人を生かす必要があるの?』
「リディス…HOPEは人間を救うのが原則よ。それが、ヴィランであったとしても…」
(由利菜は過去に愚神化した親友の同級生の命を救えず、その親友の容姿はリディスに酷似していた為、思うことがある)

【依頼後】
光る石を全て壊し、元の大きさに戻って脱出
想詞 結aa1461
人間|14才|女性|攻撃
アドリブ歓迎
結「」
サラ『』

『いい?結、大きいということはそれだけ撃たれ強いということよ。普通は油断しちゃだめね』
「でも、サラ、今回のはなんていうか……見た目がよれよれな気がするですけど」
見た目のせいか、サラが言うほど怖いものには見えない気がするです
私の危機感が足りないせいです?
それとも、サラが大げさに言ってるです?
でも、怖くなくても周りのものを壊してしまう可能性はあるので
素早くお仕事はするです

おっきくなって戦っているので周辺の安全確保を最優先するです
きっと野次馬さんとかがいると思うので
速やかに退避してもらうです
見た目のせいで危機感を持ってもらえない場合は
多少強引でも安全なところまで行ってもらうです
「どうしてもここにいるですか?なら、今から怪獣映画を体験してもらうです」
あれだけ大きければ離れていても写真くらい良いのが撮れるはずです
光る石が巨大化の原因だとわかったら
二次災害防止という事で
味方が必要とする分以外は見つけ次第砕いてしまうです
石をこぼしているトカゲさんは目立つと思うので
すぐに見つけられると思うです
見つけ次第退治を目指すです
発生源が生きているうちは大きいままかもですので
巨大化組の人に手伝ってもらうと
効率いいかもです?
「せっかく大きいのですから有効活用するです」
『踏めなくても通行止め位できるでしょ?私達を踏んだりはしないでよね』
小さすぎて狙えないなら諦めるです
発生源を何とかしても石の効力がそのままなら
ある分は全部壊すしかないですね
終わっているなら石の残りの捜索
怪獣が健在なら小さいままでもできる援護をするです
参加者の中には石を壊すことを渋る人がいるかもですが
何かあってからでは遅いので
なるべく壊させてもらうです
H.O.P.E.に渡す分がいるならそこは仕方ないですね
効力がないならお土産位ならいいかもです
町田紀子aa4500
人間|24才|女性|攻撃
とりあえず、町田(人間)と町田(ヒーロー)のかけあいおよびほかの人との会話で性格などの違いアピール。

「大きな怪獣ね…私にはどうしようもできないわ」
「ならばヒーローたる私が行こう…って、共有するんだから体は貸してもらうぞ!」
共有して、トカゲが落とす光物をいくつか拾い、巨大化。しかしお約束かレベル差か、怪獣戦の主役はアルテミスという暗黙の了解か、補佐できる程度まで中途半端しか巨大化できなかった。
(※町田は等身大サイズのヒーローのイメージだったので。今作では普通にある程度巨大化するけど)

「おのれ、街を焼き尽くす悪の権化が!」
「ちょ、ちょっと、この人(?)、何か訴えてない!?」
アルテミスの補佐程度に戦うが、正直、力量的には不足であまり役に立たないだろう。
怪獣のリアクションや訴えから人間町田の精神が情報を得られればいいのだけど。

冷静な人間町田がそれらの情報からある程度あたりをつけたらほかの調査している仲間たちと一緒になって調査にあたる。
藍那 明斗aa4534
人間|23才|男性|命中
明斗「おぉ、シン・怪獣だわ(スマホで動画を撮る
クロセル『そんな事してる場合じゃないでしょ…
「待つんだクロセ。これを動画サイトへアップすれば広告収入も
『お仕事しようね?ミントくん(にこり
「はい

とはいえあのデカブツが暴れ出したらおいs…たまんねェな
怪獣も原因とやらも、対策を見つけるまでは下手に刺激しない方が良さそうだ
背中で不自然に光ってるのは何だ?弱点?
ぐるりと怪獣の周囲を探索し怪しい物が無いか調べる
『…あれ、人が入ってないかな
「アクターとかいる訳ないだろ!
『でもファスn「俺には何も見えねェ(3ω3)

・石へのリアクション
発見したらとりあえず持っとくか、とクロセルに預け
「…(眼鏡外して目を擦り)しばらく見ない間に大きくなったわね、クロセちゃん(真顔
どうやら怪しい石が原因みてェだな
怪獣に気付かれたら『…僕の事はお気になさらずー…あはは…(会釈しつつ苦笑
高所からの視界が調査に有利そうなら利用
用が無くなれば石を手放せさせる&破壊
「クロセ、これあそこのビルの上に置いといてくれ。あの怪獣が映るようになー
スマホと三脚を渡しアルテミス達の戦いを動画におさめておく(諦めてない

・調査
解かった事はメンバー間で連絡を取りあう。スマホがなくてもガラケーがある(愛用者
石の落ちている箇所をチェック
地面か壁に線を引きつつ後を追うように辿って行く

・トカゲ発見時
こいつが原因か?もしこれにも巨大化されたら超コワイ(面倒)
先手必勝で片付けるか
「一発ヤるんで、エージェントの皆さんは避けちゃってくれよなァ?
共鳴しトカゲ周囲の石ごと破壊する目的で近接、ウェポンズレイン
状況によってはストームエッジに留める
巨大化した場合は石の破壊を優先
俺は戦闘は苦手だかんな。潰すときは潰しやすいように弱点から攻める迄
巨大化したメンバーがいればトカゲをつまみあげてもらい動きを封じて攻撃
(いなければ自身が巨大化

帰ったら撮影した動画編集(諦めが悪い

リプレイ

●巨大化バトル
「怪獣出現!?」
 怪獣出現の報を受けた布野 橘(aa0064)とその英雄アルテミス(aa0064hero002)の行動は迅速であった。
「市民に危害を加えさせるワケにはいかねぇ。出撃だ!!」
 すなわち現場への急行である。
「デケェ。こんなヤツ、どうやって……」
 橘は自身の十倍はあろうかという巨大な怪獣を見上げ呟く。周辺には避難勧告が出ているため、怪獣の近くには他に誰もいない。
 橘の姿が怪獣に見つかるのにそれほど時間はかからなかった。目と目が合った瞬間、怪獣は橘から一歩間合いを取ると周囲の建物を崩して攻撃してきたのだ。
(なんでこんなところにあの時のリンカーがいるんだよ?!)
 橘の姿に気付いた怪獣のスーツアクターのバイトをしていたヴィランは思わずよろけて傍にあった建物を崩してしまうほどに困惑していた。きぐるみに内蔵されたボイスチェンジャーから聞こえる声は威嚇しているようにしか聞こえなかったが。
『デュアッ!』
 その無意識的な攻撃にいち早く気づいたアルテミスは橘に駆け寄る。落下する瓦礫を避けようとした橘が何かに躓いて転んだ時、その手にはピカピカと光る石が触れ、奇跡は起きた。
 瓦礫に覆われそうになった二人は共鳴する。それはリンカーが一般的な物理法則によるダメージを負わないことからくる当然とも言える判断と行動であった。
 共鳴を終えた時、周囲の建物が小さくなったように見え、怪獣が自分と同じサイズになっている。それは自身の大きさの変化からくるもの。胸元に手を当てればそれが自分の身体であることは間違いがない。
 巨大化した自身に対する疑問、それは怪獣を前にしては些細なことである。
 先ほどまで困惑していた様子の怪獣がやっと状況が呑み込めたかのように橘とアルテミスの共鳴した巨人に対し、明確に戦闘姿勢を取っていた。
「ヘァッ!」
 月光の巨人と化した橘とアルテミスはまずは様子見と間合いの確認を兼ねて格闘攻撃を仕掛ける。街に被害を出すわけにはいかない。自分達は共鳴することで何とか一命を取り留めたが、一般人が巻き込まれればどうなるかは想像に難くない。
 パンチやキックをまるで予め予定されていたかのように受け続けていた怪獣だが、すぐにその攻撃が通じることに驚いたのか困惑したように狼狽え始めた。
 パンチやキックといった単調な攻撃は見切られ、やがてかわされ始めたが、相手の動きに慣れてきたのはアルテミス達とて同じこと。
「デュワッ!!」
 格闘ではわずかに届かない距離を取る怪獣に対し、アルマスブレイドで斬り付ける。本気で焦ったように避け始める怪獣は斬られることを非常に恐れているようにも感じられた。逃げ惑う怪獣に対し、決め手となる攻撃を放つ機会はなかなか訪れない。
 戦いはまだ始まったばかりである。

●見える物と見たくない者
「おぉ、シン・怪獣だわ」
「そんな事してる場合じゃないでしょ……」
 スマホで動画を撮る藍那 明斗(aa4534)にクロセル(aa4534hero001)は溜息一つ。
「待つんだクロセ。これを動画サイトへアップすれば広告収入も」
「お仕事しようね? ミントくん」
「はい」
 明斗はクロセルににこりと笑顔を返され、反射的にそう答えた。
「とはいえあのデカブツが暴れ出したらおい……たまんねェな」
 携帯で先ほど取ったばかりの怪獣が右往左往している映像を確認する明斗の脳裏に広告収入の文字がちらつく。だが、一時停止してよく見ればその背中には本物の怪獣にはあってはならないものが見えた。
 怪獣の背中にはファスナーが見え隠れしていた。どう考えても中の人が必要な着ぐるみでしかない。それをそうと思わない理由があるとすれば、単純にそのサイズが大きすぎることが原因だろう。
「大きな怪獣ね……私にはどうしようもできないわ」
「ならばヒーローたる私が行こう……って、共有するんだから体は貸してもらうぞ!」
 怪獣を見上げ引き返そうとする町田紀子(aa4500)を町田紀子(aa4500hero001)は引き止める。
「いい? 結、大きいということはそれだけ撃たれ強いということよ。普通は油断しちゃだめね」
「でも、サラ、今回のはなんていうか……見た目がよれよれな気がするですけど」
 忠言を口にするサラ・テュール(aa1461hero002)に想詞 結(aa1461)は素直に感じたままを答える。実際、サラもそれを感じているからこそ普通はと口に出てしまっていた。
「さて、これはどうしろと……」
「なんだか盛り上がってるけど、あれ、着ぐるみでしょ……?」
 どうしたものかと思案するミク・ノイズ(aa0192)に万華鏡(aa0192hero002)は客観的に見て感じたことを素直に答える。
「クレ……ユリナ、今度は身体が大きくなるんだね~。ドロップゾーンってたまに楽しそうな効果もあるよね?」
「……リディス、後々とんでもない事態に発展することもあるのよ?」
「……もう、分かってるよ。楽しんで、愚神や従魔も倒しちゃおうね?」
 気楽な様子のウィリディス(aa0873hero002)に月鏡 由利菜(aa0873)は釘を指す。
 どうやらリンカー達の大半がその正体に気付いたようだ。
「見た目のせいか、サラが言うほど怖いものには見えない気がするです。私の危機感が足りないせいです? それとも、サラが大げさに言ってるです?」
 結の疑問は他のリンカー達に状況を理解するきっかけを与える。冷静な視点で判断すれば、あれを即座にどうこうする必要はなさそうだ。
「……かなり使い込まれたものがベースのようですね……」
「本当に従魔や愚神は何でも取り憑くんだね……」
 そう判断すれば由利菜に見えてくるのは使い込まれた着ぐるみに取り込まれた被害者の姿である。従魔や愚神の節操のなさにウィリディスは半分呆れていた。
「……あれ、人が入ってないかな」
「アクターとかいる訳ないだろ!」
 クロセルの問いに明斗は明確に状況を理解していなければ出てこない単語で答えた。
「でもファス……」
「俺には何も見えねェ」
 クロセルの意見を全力で否定しながら、明斗はアプリから画像の編集ソフトを探して必死に証拠を消そうと試みるが、一度気付いてしまえば後頭部から下半身まで伸びているその違和感の塊を完全に消すのは難しい。何より下手に大掛かりな編集などすれば、明らかに加工動画と言われて再生数が伸びなくなるのは目に見えている。
「野次馬さんには速やかに退避してもらうです」
 そんな二人に結は声をかけた。大きくなる方法がわからない以上、安全圏に退避
「多少強引でも安全なところまで行ってもらうです。あれだけ大きければ離れていても写真くらい良いのが撮れるはずです」
「それは名案だねェ」
 結の提案に明斗は怪獣から遠く離れた場所に素直に移動する。目的は単純明快で遠くから撮影すればあの明らかに違和感のあるファスナーが見えないだろうという打算であった。

●原因と本当の敵
「……しばらく見ない間に大きくなったわね、クロセちゃん」
 明斗は眼鏡外して目を擦り、それでもなお変化のない大きくなったクロセルに真顔でそう告げた。
大きくなったクロセルの手に握られているのは先ほど拾ったピカピカと光る石。
「二次災害防止という事で見つけ次第砕いてしまうです」
 結が躊躇なくその石を砕けば、大きくなったクロセルはそのまま元の大きさに戻っていく。
 巨大化しているのは怪獣とアルテミスでそれぞれに背中と手首にピカピカと光る石が引っ付いていた。他に共通する外見からわかる違和感はない。先ほどの事象から見ても、それが巨大化の原因なのだろう。
「万華鏡の豆知識。バストのカップは、トップとアンダーの差で決まるのよね。つまり、大きくなればマスターも……ごめんなさい、無言で契約破棄しようとしないで」
 原因に気付いたところで提示された万華鏡の案にノイズは無言で断りを入れる。その瞳は鬼軍曹。浮かぶ笑みは般若も逃げ出そうかという勢いだ。
 とりあえずはドロップゾーンの範囲の確認を行い、その道中で見つけたピカピカと光る石を破壊して回る。普通に砕こうとしても砕けなかったが共鳴すればノイズの槍の一突きで簡単に壊れた。この石に従魔か愚神が関わっているのは間違いないだろう。
 巨大化の原因が解ればリンカー達の行動は早い。即ち、それを利用しての怪獣の対応と原因の石の根絶である。
「……僕の事はお気になさらずー……あはは……」
 スマホを片手に建物の屋上から撮影を続けていた明斗と怪獣の目が合った。戦いは怪獣が逃げ回ることでどんどん範囲を広げていた。
 逃げ惑う怪獣をアルテミスが対処するのも限界が近い。
「あたし達も対抗しなくちゃね! それっ、ビッグの術!」
「あ、あまり気は乗りませんが……止むを得ませんね」
 ノリノリのウィリディスに対し、由利菜は気乗りしない様子ながらも被害を抑えるために巨大化する。
「レナトゥス……!」
「私は大丈夫です。アイギスの盾もありますから」
 ウィリディスに由利菜はそう答えると怪獣の手足を狙って攻撃を仕掛ける。あくまでも怪獣(の中の人)も被害者であるのであれば、大怪我をさせるわけにはいかない。
「おのれ、街を焼き尽くす悪の権化が!」
「ちょ、ちょっと、この人……かどうかわかんないけど、何か訴えてない!?」
 石を利用して巨大化し、目の前の悪を倒すことのみに専念する町田に町田は客観的な視点から感じた違和感を口にする。
 他に巨大化したどこからどう見ても普通の人と同じ姿の存在を前に、漸く怪獣の中の人も状況を把握し始めたらしい。
 ボイスチェンジャー機能を解除できないせいでアンギャアンギャとしか聞こえなかったが、それが何かを訴えかけていることだけは客観的に冷静に見ることができれば理解はできる。まあ、元に戻さなければどうにもならないことは変わらないし、その原因の石は背中についている上に攻撃を避けようと逃げまくるせいで戦闘続行するしかないのが現実なわけだが。
「こいつが原因か? もしこれにも巨大化されたら超コワイ」
 撮影した動画の確認をしていた明斗はその動画の中に明らかに妙な存在が映っていることに気付いた。それはピカピカ光る石をぽろぽろと落としながら建物の影に消えていった人間大のトカゲである。
「クロセ、これあそこのビルの上に置いといてくれ。あの怪獣が映るようになー」
「ミントくんったらまだ諦めてなかったの?」
 明斗はスマホによる撮影は継続しつつ、原因の対処を行うため、他のリンカー達に連絡を取る。
「石をこぼしているトカゲさんは目立つと思うので、すぐに見つけられると思うです」
 原因さえわかれば後は対処するだけ。結やノイズはその画像データを確認して、捜索を開始した。
「目標確認。現在追跡中だ」
 まもなく目標のトカゲを発見したノイズはその行動を観察する。特に目立ったことはしていない。やっていることと言えばぽろぽろと光る石を落としながら歩き回っているだけだ。
 しかし、その行動の意味をドロップゾーンの大きさを先に調べていたノイズは理解した。石をばらまいた分だけドロップゾーンの範囲が広がっていたからだ。
 そうと判れば討伐しない理由はない。互いに連絡を取り合い、石の破壊とトカゲの討伐を最優先事項に指定する。
「せっかく大きいのですから有効活用するです」
「踏めなくても通行止め位できるでしょ? 私達を踏んだりはしないでよね」
 結とサラのその提案に町田は早速行動に移る。近くにあった車などを移動させ、トカゲの移動可能な範囲を限定していく。
 行動範囲を限定すれば後は追い込むだけだ。
「一発ヤるんで、エージェントの皆さんは避けちゃってくれよなァ?」
 明斗はトカゲが逃げられないように路地全体を覆うようにウェポンズレインを放った。そして、トカゲは討伐されたがドロップゾーンはまだ消える気配を見せていない。

●石の潰える時
 逃げ惑う怪獣に対してもリンカー達は同様の手段で追い込んでいた。
 町田は二人の巨大化に対する意識の方向性の違いが枷となって、そのサイズはアルテミスや怪獣に及ばないが、むしろその大きさの違いが怪獣の死角から隙をつくのに適していたのだ。
『アンギャー!』
 町田が建物の影に身を潜め、退路を塞げば回り込まれた怪獣からボイスチェンジャーを通したかのような驚愕の声が響く。明らかに狼狽え、状況把握が追い付いていない。
「ユリナ! お願い、あたしの力で必殺技を放って! まだあたし、ユリナに頼らないと辛いんだ……!」
「わ、分かったわ……! 魔法陣、照準セット!」
 ウィリディスと由利菜は互いの役割を分担し、グングニルの穂先から青白い魔法陣が照射される。
 その隙をアルテミスも逃すはずもない。手にした武器を持ち替え、それを胸部のプロテクターに装着する。獲物を持ち替えるその行動には十分に逃げる隙があったような気もするが、半ば反射的に怪獣は待っていた。バイトのし過ぎによる条件反射である。
「汝を貫くは真紅の槍! 穿て……ルベル・クリス!!」
「はあああぁぁぁぁっ!!」
 魔法陣が赤く染まり、裂帛の気合と共に放たれた槍が怪獣を背後のビルに縫い付けた。
「ダァァーーーッ!!」
 アルテミスは握った両の拳を胸の前でX字に組んで、直線的なビームを照射する。
 光条が怪獣に突き刺さった後、さらにボロボロになった怪獣が未だそこに立っているように見えた。
「結果が同じなら、楽な方を選ぶ。それが私の主義でね」
 ノイズはそう言いながら怪獣とアルテミスに向けてフリーガーファウストG3を構える。狙いは怪獣……ではなく、アルテミスの腕と怪獣の背中に張り付いているピカピカと光る石だ。
「……これ、味方も巻き込み……」
「かまわん。被害拡大要因だ」
 共鳴状態で脳裏に響く万華鏡の心配する声にノイズはそう返す。直後、頭上に出現する無数のフリーガーファウストG3から放たれる膨大な量のロケット弾が周囲を爆発で包み込んだ。

●戦い終わって……
「橘。キミにはまだ、私の力が必要なのだろう。この、ルナセイバーたる、アルテミスが」
「……そうかもな。お前がいなかったら、死んでたかもしれない。感謝してるぜ」
 爆発に巻き込まれたアルテミスは元のサイズに戻っていた。ちなみに由利菜や町田は原因を理解していたので自力で戻っている。それと同時にドロップゾーンは消滅を始めていた。
「だが、いずれは別れる日が来るだろう。その時はきっと」
「まださ」
「まだ……?」
「今考える必要はねーってこと」
「ならば約束しよう。私がキミの下を離れる時は、月の横を、ひとつの光が宇宙へ飛んでいく」
「それがお前、か」
 その言葉に頷いた時、空から星が一つ流れ……落ちた。
「うう、死ぬかと思った」
 元のサイズに戻ったヴィランである。
 そして彼はまた逃亡生活を再開することになった。スーツアクターのバイト時に用いていた顔写真が原因で指名手配犯であることがばれたためである。
 その後、誰がアップしたのかこの事件の動画が投稿され、ほんの少しの収入があったが、払拭しきれなかったきぐるみ疑惑からすぐに人々の記憶から忘れ去られてしまった。

結果

シナリオ成功度 成功
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MVP一覧

  • 安らかなる眠りを
    想詞 結aa1461
  • 屋台泣かせ
    藍那 明斗aa4534

重体一覧

参加者

  • 信念を抱く者
    布野 橘aa0064
    人間|19才|男性|攻撃
  • エージェント
    アルテミスaa0064hero002
    英雄|24才|?|ブレ
  • 鬼軍曹
    ミク・ノイズaa0192
    機械|16才|女性|攻撃
  • エージェント
    万華鏡aa0192hero002
    英雄|20才|女性|カオ
  • マーメイドナイト
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • エージェント
    ウィリディスaa0873hero002
    英雄|18才|女性|バト
  • 安らかなる眠りを
    想詞 結aa1461
    人間|14才|女性|攻撃
  • エージェント
    サラ・テュールaa1461hero002
    英雄|16才|女性|ドレ
  • エージェント
    町田紀子aa4500
    人間|24才|女性|攻撃
  • エージェント
    町田紀子aa4500hero001
    英雄|16才|女性|ドレ
  • 屋台泣かせ
    藍那 明斗aa4534
    人間|23才|男性|命中
  • エージェント
    クロセルaa4534hero001
    英雄|16才|?|カオ
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