観測史上最高に 世界全体の去年1年間の平均気温

去年1年間の世界全体の平均気温は観測史上最も高くなり、産業革命前との差が初めて1度を超えたことが、北アフリカのモロッコで開かれている国連の会議COP22で報告され、パリ協定に基づく世界規模の温暖化対策が急務であることが改めて確認されました。
WMO=世界気象機関は8日、2015年までの5年間の世界の気象と地球温暖化の影響について報告書をまとめ、COP22の会場で発表しました。

それによりますと、去年までの5年間は世界全体の平均気温が観測史上最も高くなり、特に去年は5年間で最も暑く、産業革命前との差が初めて1度を超えたということです。
また、海面の水位も世界全体の平均で1年に3ミリほど上昇していて、2012年にニューヨーク市などアメリカの東海岸を襲ったハリケーン、サンディの高波による被害や、高知県四万十市で国内で最も高い41度の最高気温を観測するなど2013年に日本各地で記録された猛暑は、人類が排出した温室効果ガスによる地球温暖化によって、被害や影響がより深刻になったと指摘しています。

パリ協定では、世界の平均気温の上昇を、産業革命前に比べて今世紀末に2度未満からできるだけ1.5度までに抑えるよう努力するという目標を掲げていますが、今回の報告で、パリ協定に基づく世界規模の温暖化対策が急務であることが改めて確認されました。

WMOの担当者は会見で「深刻に受け止めるべき事態で、COP22での議論に生かされることを期待している」と話しています。