「沖縄」って入れちゃったけど半分釣りタイトルで、実は東京時代から6年ニートをやっている。
こっちにきて時間に余裕もできたので、たまったノウハウなどを書いてみようと思う。
バックグラウンドを話すと、東京でニートをしていたときに沖縄から来た人が「うちのコミュニティ回ってないんだよね」と相談を受けて、僕が1年沖縄に行く決心をした次第。住んでいる家主に相談したら「XX君頑張ってるから、沖縄行って来なよ。お金は出す」と言ってくれて、いまのところ滞在費はかかっていない。
②人としゃべり続ける
③情報収集
だいたい、お金にならない仕事をすべて引き受けるという感じ。東京のコミュニティも、沖縄のコミュニティも差はあれど、ニートは必須という感じ。〝お金にならない仕事〟って働いている人にとって、けっこうコスト高。
「場の管理」
これほぼメイン業務みたいになってる。昼の12時ぐらいに起きて、掃除と洗濯、ゴミ捨て。
地味だけどこれがめっちゃ大切。物があふれてると人が集まらない。風水的なのってあるんだなと感じる。
なぜかというと、那覇のこの家はもう4年の実績があるが、住人がみんな忙しすぎて手が回っていない状態だった。
だから初めて家に足を踏み入れたときは、散らかり具合にびっくりした。
住んでいた住人は5人。
まず初日の歓迎会で、これから1年お世話になることと自己紹介をした。
そしたらどんどん人が集まってきて、沖縄のコミュニティの強さを感じた。
見たところ、住人5人+よく出入りするお客さん8人といったところ。
まず、人の入れ替わりが多いので、誰の物かわからないものが大量だった。
今の住人に確認をとって、誰のでもないものは粗大ゴミでどんどん捨てていった。
今年4月に入居して、6月の始めには床面積が倍ぐらいになった。
すると自然と人のたまり場になって、家が生きてきた感じがした。
「人としゃべり続ける」
次にやったのが、毎週の飲み会。特に曜日を決めているわけじゃないけど、Lineグループとかでたまに「飲み会やるよー」とか「カレー作ったよ!」とか書き込んでチビチビ飲み会をやった。
これによって、特に何もなくても家に居着く人が増えた。この時点で家によく来る人が15人ぐらいに増えた。
人が増えると重要なのが「喧嘩を起こす」ことで、それぞれが不満をかかえた状態だとグルーブ感が高まりにくいので、とにかく本音を言えるようになるまで人と話す。このあたりの業務も、仕事をしている人にとってはなかなかキツい作業だったりする。あとは、落ち込んでいる人のフォロー。他にも、フラっとやってきたお客さんと喋ったり。物の管理とちがって、心のケアというのは常に時間がある人の仕事なので、ニートスキルの発揮しどころ。ここで、ニートの個性みたいものが出るんじゃないかな。
注意したほうがいいのは喧嘩し終わったように見える二人が、実は心にわだかまりがまだ残っていることがあるので、そういうときは「本当に言いたいこと言い終わった? またお互いイライラしているようにみえるけど?」とさらに喧嘩を促すことが大事。
怒りというのは蓄積する。
だから思いっきり喧嘩させる。喧嘩しても大丈夫だという空気を作り出しておく。
そうしないと溜まった怒りが爆発して、人がいなくなる ⇒ コミュニティが崩壊するという連鎖に繋がる。
これらの業務によって9月ぐらいには、さらに出入りする人間が増えた。
twitterとかで知って、東京から旅行者が1週間〜4週間ぐらい滞在することも増えた。
そういうときは車を運転できる知人に電話をして、沖縄の海へ行ったりする。
このへんの旅行コーディネーターみたいな仕事は東京ではなかったから新鮮だった。僕も沖縄は詳しくないから知ったかぶりで紹介するのだけれど。
「情報収集」
これは僕が沖縄でアウェーだったから一番苦労したかもしれない。
ネットやってればOK! みたいな感じでもないし。
最初の6ヶ月で、場を健全化する・人を滞在させるというミッションはなんとかクリアしたが、まだ次のミッションが残っている。「新たな人を呼ぶ」ということだ。知名度を上げないと継続は難しい。
コミュニティでありがちなのが、以前からいた人が飽きてしまっていなくなり、世代交代がうまくいかない場合だ。2008年〜2013年ぐらいで流行ったシェアハウスや、シェアコミュニティはもう2016年の時点はほとんど潰れてしまっているか、解散している。これを楽しく継続させるためにニートは便利なので、運用に困っている人はニートを一人置くといいかもしれない。
東京では6年ニートしていたからこの辺で困ったことはなかった。どの人間が忙しくて、どの人間が暇なのか? それらを把握しておいて、適切な配分になるように分配する。マネジメントに近いかもしれない。「つらい思いをしている人間を固定化させない」というのは場の運営だけじゃなく、企業とか会社にも適用できるかもしれません。
さまざまなプロジェクトが動いていて、それの雑用をしにいったり、あるいは適切な人を配置したり。
僕がコストを負担することもあれば、負担できる人を探したりするときもある。
このために日頃からいろんな人と話しておくことが重要。(得意なことや興味のあること等)
いまは沖縄の美術大学生がけっこう出入りしていて、オーナーが懸念しているのは卒業したら活動をやめてしまう環境についてで、一緒に場を作って活動を継続できるように日々の業務をこなしている。
・今後の問題点
③負担の偏り
とまぁ、課題はいろいろあるけれど本来今年3月に終了する予定だった家が、今も沖縄で生きています。
僕の活動がただの延命行為にならないようがんばりたいしょぞんです。
ニートでどうやって食ってんだよ! とよく聞かれますが(特に父親とか母親)、差し入れで食べ物をもらったり、みんなからお金をもらって料理するときとかに、こっそりおこぼれを貰ってます。
あと、沖縄のおじさん超やさしい。もう3回ぐらいバーでお酒をおごってもらった。
どうしてもお金が欲しくて短期のバイトをするときもあるけど、そういうときはニートの仕事がおろそかになるので、やっぱりよくない。あと面白い話がこなくなる。「バイトだから」って断ってると、だんだん面白い話がこなくなってくる。ニート期間は長い方が信頼度が高くなるので、面白い仕事やプロジェクトにありつける印象。
そして、いよいよ12月に活動している場所で僕の個展を打つことになった。
もし12月9日、あなたが沖縄にいたら僕の個展を見に来てほしい。
そいじゃ。
知り合いが過労で死んだことがここ数年で2件ありました。
マジで。