世界には、約80種近くの淡水・汽水フグが東南アジア、アフリカ、南米の熱帯域に生息しており、純淡水で生息しているものは、約30種類±10種である。終生汽水で生活している、生粋の汽水フグは少なく、全体の10%ほどしか居ない。というのも、本来海水フグである種が、一時的に汽水・淡水に侵入しているというケースが大半であり、海水フグであっても、汽水で捕獲されれば汽水フグとし、淡水で捕獲されれば淡水フグとして売られているのが、現在の日本の熱帯魚業界の慣わしとなっている。
淡水フグとは、終生にわたり純淡水で飼育可能なフグをいい、一時的に淡水域へ侵入し生活するものは含まない 。よって、一時的に淡水域に侵入するに過ぎない、トパーズパファー[マミズフグ]、ミドリフグ、オキナワフグ[パトカパファー]、及び淡水域で産卵し海水や汽水へ戻るメフグ、メガネフグ、フタツボシフグは淡水フグには該当しない。
汽水フグについては、(1)終生を汽水で過ごすものであるとする説、(2)終生を汽水で過ごす種の他に、主たる生活圏は海水であるが、餌の確保や産卵・治療等、一定の目的の為に一時的に汽水域に入るものも含まれるとする説、(3)終生を汽水で過ごす種の他に幼魚期のみを汽水で過ごすものも含むとする説がある。淡水フグの定義との整合性を考慮すると生活圏の大半を過ごす水域により区別するのが妥当であるから、終生を汽水で過ごすものを汽水フグと定義すべきと考えられる。
<淡水フグ>
・東南アジア
東南アジア最大の河川たるメコン川流域には多くの種類のフグが生息している。これらの中には種の判別が困難な種や新種登録されていない種も多く、まさに淡水フグの宝庫である。
そのため、学名が不確かなもの、名前が特定出来ないものが入荷されることが多々在り、業者やショップの関係者を困らせることも在る。特定が出来なかった個体は、メコンフグ、マレーフグ、マライアンパファー、フグ.spというような大雑把な名前で売られることが多い。
これら多数の種類のフグが生息出来るようになったのは、メコン川流域が過去は暖かい珊瑚礁であったものの、地殻変動等の影響により陸地となり、そこに取り残された海水フグが長い年月をかけて徐々に淡水に順応していったのではないかと推測できる。なぜならメコン川流域のPHは8前後と海水並みに高く、これらは陸地に残ったサンゴの残骸が雨で浸食され川へ流れ込んだ結果と考えられる為である。
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実際メコン川流域へ行くと多数のフグを観察でき、これらの中にはどの種族に特定するべきか判別し得ない種も多く、非常に悩まされる。中には混雑種と思われる個体も数種類、確認している。
また、タイ北部やラオスには未だ発見されていない新種も多く、清流域の石の下に生息する全長3cmのフグの情報を得たことを初め、数種類の新種と考えられるフグ、未登録のフグの採集に成功している。
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強い緑色をした不明種
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ラオスで採集された新種
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マライアンパファー
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未登録種
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レッドスポットメコンフグ
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メコンフグ
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アイスポッテッドパファー
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入荷はそれほど多くはないが、メコン川流域からは、20cm前後の中型のフグが3種類いる。1種は、レイウルス種(アイスポッテッドパファー)メコンフグより細長い口が特徴である。またレイウルスにそっくりの色違いのフグもいる。バルバータス種(ビルマフグ)といい、レイウルスの黄土色の地味な色に対し、メタリックグリーンの体色に腹部が乳白色となかなか美しい。入荷量はレイウルス種より少ない。
あと、1種は、体系がアフリカのミウルス種によく似たスバッティ種である。砂に潜り、頭部にあるV模様が特徴で、性格は大変凶暴である。
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スバッティ
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バイレイ
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近年になって入荷が増えたのは、全身毛(皮弁)に覆われた、奇妙なフグ、バイレイ種。大きさは10cm前後。昔は渓流域に生息しているという情報が流れていたが、メコン川本流でも生息が確認されている。
また、アベィ種も以前はメコンフグという名前で入荷されていたが、近年判別されて入荷されるようになった。興奮するとスポットがオレンジ色になり、尾びれにまでスポットが入ることで、メコンフグと区別することが出来る。こちらも以前は、渓流域に生息しているといわれていたが、メコン川本流でも多く確認出来る種であり、現地ではそれほど珍しい種ではない。
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アベィ
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ブロンズパファー
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東南アジア全域に生息するブロンズパファーは、フグに似つかわしくなく、体系がスマートで、泳ぎも得意であることから、人気はイマイチのようである。また、ゴールデンパファーとも呼ばれ体表がメタリックに輝くことから汽水と間違われることもしばしばある。
ブロンズパファーは、他に似たような種類のフグが4種類おり、容姿が似ていることから判別が難しく、あまりメジャーな存在となっていない。ただ、1種類、汽水域に生息し、体長30cm前後に成長する種がいる。どの種も海に生息するサバフグ属の体系によく似ており、サバフグ属が淡水化したのである可能性も否めない。
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・インド、ミャンマー
ミャンマーを流れるブラフマプトラ川からインドにかけて、ククッティア種(エメラルドパファー)がいる。エメラルド色の美しい体色に尾の先端が赤く染まる小型の美しいフグである。タイ西部やマレー半島の北部にも生息している。 |

エメラルドパファー
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インド南部、スリランカからは、世界最小のフグ、トラヴァンコリクス種、通称アベニールパファーが知られている。2.5cmから繁殖可能で、雌雄の判別が容易なことから繁殖例も多い。またフグには珍しく集団で生活していることもが知られている。ただし、結構イタズラ好きで、気に入らない相手の鰭や肉を齧ってしまうので、水草、流木で複雑にレイアウトする必要がある。またアベニールパファーは、現在カリノテトラオドン属に属しているが、1種1属のフグである可能性が強い。 |

アベニーパファー
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・ボルネオ島、スマトラ島
アジア大陸の南に位置するボルネオ島やスマトラ島にも数種類の淡水フグが生息している。島に広がる広大なジャングルは世界最古ともいわれており、樹木が落とした大量の葉は川底に沈み、葉の養分タンニンが染み出した川は、赤や黒に染まり、水質は酸性に大きく傾いている。そのような色がついた川は、ブラックウォターと呼ばれ、特殊な環境を形成している。そのような、特殊な環境に特化したフグを紹介しよう。 |

レオパードパファー
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顔が’ダルマ’のようなパレンバンゲンシス種(レオパードパファー)ボルネオ島、スマトラ島のインドネシア領に多く生息している。大きさは20cmと中型のフグである。また、別名、スマトラパファーと呼ばれているように、スマトラ島からの入荷が多い。体の横には目のような模様がいくつかあり、大変臆病なフグである。レオパードパファーによく似た種で、ハイゲンドロフズ種がいる、生息地は、ボルネオ島のカプアス水系からしられており、パレンバンゲンシス種より小型で10cmを超えることはない。現在のところ日本への入荷は確認されていない。 |

ハイゲンドロフズパファー
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小型のフグ、カリノテトラオドン属4種もブラックウォーターに生息する代表的なフグである。この属のフグの特徴は、オスとメスの模様が別種とおもわれるほど、異なることである。またオスは婚姻色になると大変美しい。 |

アカメフグ |

レッドテールアカメフグ |
ロルテッティ種(アカメフグ)は、水質の変化に弱い面があり、飼育は淡水フグの中で一番難しい、オスは繁殖期に全身メタリックパウダーブルーに染まり、背びれ、尻びれが赤く染まる。生息域は、タイ、ベトナム、カンボジアだが、スマトラ島の北部にも生息している。イルベスコ種(レッドテールアカメフグ)は、体系が細長い特徴を持つ、生息地はボルネオ島の西部の一部とスマトラ島である。比較的大人しいほうだが、オスは成長すると凶暴になる。繁殖期には、尾びれから頭部にかけて赤く染まり美しくなる。
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ボルネオアカメフグ |

サリウァトール |
ボルネンシス種(ボルネオアカメフグ)は、ボルネオ島の限られた地域に生息しており、頭部にオスもメスも鮮やかな黄色の▽(逆三角模様)が確認出来る。ブラックウォーターでも確認出来るが、汽水の影響を受ける、アルカリ性の川に多く生息している。残念ながら日本への入荷はない。サリバトール種(タイガーパファー)は、虎柄をした淡水フグの中で最も美しいフグである。ボルネオ島のマレーシア領に生息しているが、ジャングルの開拓で年々数を減らしている。ブラックウォーターでも確認出来るが、中性のやや流れのあるクリアウォターの川で多く見ることが出来る。日本への入荷は非常に稀である。
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・アフリカ
アフリカ大陸は、日本から離れていること、また治安、風土病、運送費などの問題から、魅力的なフグがいるのだが、なかなか入荷されない状況が続いている。日本の熱帯魚ブームも下火になり、今後アフリカの希少種を手に入れる機会は、さらに難しくなるだろう。よく入荷されるのは、リネアトゥス種、ミウルス種、ムブ種の3種、入荷数が少ないのは、ドゥボイシィ種、入荷がほどんどない種はショウテデニィ種、パストゥーラトゥス種となる。これがアフリカの生息する淡水フグだ。ただし、リネアトゥス種とパストゥーラトゥス種は汽水にも生息している可能性がある。 |
アフリカには、世界一大きな淡水フグ、ムブ種がいる。60cmを超える大型種で、コンゴ川・タンガニカ湖に生息している。入荷は10cm未満の幼魚が多く、成長するに従い、唐草模様は複雑になり、尾びれは、オレンジ色のレースのように大きく広がり美しくなる。西アフリカ全域に生息する、ファハカ種も40cmを超えるやや大型のフグである。またファハカには、亜種が2種確認されている。rudolfianusルドルフィアヌス種とstrigosusストリゴスス種である。ケニア北部にあるトゥルカナ湖に生息するのは、ルドルフィアヌス種。トゥルカナ湖は、PHが非常に高く、湖の水を農作物にかけると枯れてしまうというから塩分はかなりあると思われる。そういった特殊な環境のせいか、体調が10センチ未満といわれているが、採集個体を見る限り、15cmくらいまでは大きくなるようだ。ルドルフィアヌス種は、ニジェール川に生息しており、ファハカ特有のレモン色と小豆色のラインの小豆色のほうが、細く、黄色いラインが太くなる。これ以外の差は見受けられない。
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ミウルス
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ドゥボイシィ
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砂に潜って口と目だけを出しているミウルス種もアフリカを代表するフグだ。コンゴ川の下流に生息し、個体差が激しく、多彩な体色をもつ、ベージュ、こげ茶、白、ゴマ模様、オレンジ、赤と、様々である。ごく稀に、ミウルス種にまじって、ドゥボイシィ種が入荷されることがある。入荷は非常に少なく、コンゴ川のスタンレープールという限られた場所に生息するといわれている。体に黒いスポット模様が均一に入るので、ミウルスとの判別は比較的容易だ。ミウルスのように砂に潜るが、潜らない場合も多い。両種とも20cm近く成長する。 |

ショウテデニィ
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ショウテデニィ種は、コンゴ川で採集されるフグの中で最も希少種である。ときおり、ムブの幼魚に混じって輸入されることがあるが、これは現地のシッパー(熱帯魚を現地で採取して輸入する人)が、ショウテデニィの幼魚とムブの幼魚を判別出来ないことが原因らしい。性格は大人しいらしく、10cm前後にしか成長しないアフリカで一番小さなフグである。 |

パストゥーラトゥス幼魚
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中央アフリカのカメルーンとナイジェリアの国境を流れるクロスリバーからは、珍種のパストゥーラトゥス種(クロスリバーパファー)というフグが入荷される。2003年まで生態写真ですら見ることが出来なかった。日本への入荷は稀で、入荷されても非常に高値である。成長するとマングローブがある、河口付近に生息域を移すといわれている。ドイツの採集家の話では、なんと150cm近くまで大きくなるという噂もありまだまだ謎に包まれたフグである。 |

パストゥーラトゥス若魚
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南米淡水フグ
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世界一流域面積が広いアマゾン川が流れる南米から輸入される淡水フグは、コロメスス種(南米淡水フグ)1種類のみである。ただし、南米淡水フグは、ブラジル、コロンビア、ペルーと広域にわって生息しているため、模様や体型に違いが見られる、3種の亜種が確認出来る。
また南米淡水フグに似た南米汽水フグ(クロオビフグ)も南米から入ってくるが、両種の見分け方は、体に入っている黒いバンドの数で容易に判別出来る。南米淡水フグは目の上から数えるバンドの数が5本なのに対し、南米汽水フグはバンドの数が1本多く、6本ある。 |
<汽水フグ>
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汽水域という場所はどのようなところかというと、川の水が海へ流れ込んだり、満潮のときに海の水が川に流れ込んだりして、塩分濃度が海水より薄く、つねに塩分濃度が変化している場所のことをいいます。そのような汽水域で見られるフグ、採集されたフグを全部汽水フグといってよいのかというと実は間違いです。では本当の汽水フグとは、いったいどんなフグのことなんでしょうね?
そこで、汽水で採取されるフグを大きく2つにわけてみました。
1.海水フグが、産卵もしくは幼魚期を安全な場所ですごすため、淡水・汽水域に入ってきたもの。
2.淡水、海水を行き来するが、一生の大半を汽水域ですごすもの。
本当の汽水フグとは、実は2番だけなんです。では、それ以外の偽物汽水フグを、適切ではない塩分濃度の汽水水槽で飼育を続けているとどうなるのかというと、体調を崩して病気になったり、前日まで元気に餌を食べたり動き回っていたものが、ある日突然死んでしまうことになります。1番のフグもお店では、汽水フグとして売られていることがあるので注意が必要です。 |
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汽水フグで、誰もが知っている有名な種類といえばミドリフグではないでしょうか。いろいろなお店で、頻繁に見かけられると思います。このフグは性格的にも愛嬌があり、人にもよく馴れてくれます。それに少しぐらい塩分濃度に変動があっても、比較的耐えてくれるという丈夫な面から、フグ飼育初心者の方にもオススメの汽水フグと言えます。
タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジアの汽水域の、マングローブが生えた浅瀬や川と海が繋がったところで、4センチから7センチくらいの個体が、群れを作って元気に泳いでいます。このフグは体長10センチを超えると海に出るために、単独で海岸の岩を突付いている姿がよく見かけられるそうです。小さな頃は群れで行動し、成長するとひとり立ち(?)するようですね。 |

サヴァヘンシス
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ミドリフグととてもよく似た、サヴァヘンシスという種類がいます。このフグは、ときどきミドリフグに混じって日本に入荷されてくるのですが、お店では特に区別されることはなく、どちらもミドリフグとして売られています。とはいえ、大きな違いはほとんどありません。あえて見分けるとすれば、ミドリフグは口の先のほうにまで大きな黒いスポットが入っているのに対して、サヴァヘンシスには、クッキリとした大きなスポット模様が入らないこと、顔の形もちょっと細長いミドリフグに対して、サヴァヘンシスは平べったいというぐらいでしょうか。もしもお店でミドリフグを見つけたら、よく観察してみてください。どちらのフグが入っているでしょうね? |
ミドリフグの次によく入荷されるフグといえば、ハチノジフグでしょう。生息域もミドリフグとほぼ同じですから、幼魚の時の飼育方法は基本的に一緒で構いません。でも成長すると、少し違いが必要になります。
というのも、ミドリフグは成長とともに、塩分濃度を少しずつ海水に近付けていったほうが良いのですが、ハチノジフグはずっと汽水の環境で飼育を続けることが可能なのです。
性質はミドリフグもサヴァヘンシスも、ハチノジフグもよく似ており、フレンドリーで物怖じしない個体が多いです。ただし、フグには大体言えることですが、少し気が荒い個体が多いでしょう。喧嘩をしたりおなかが空いたりすると、お互いのヒレや尾を齧ってしまうことがあるので、出来るだけ混泳はやめたほうが無難です。 |

ハチノジフグ
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インド・スリランカからは、ハチノジフグにちょっと似た姿の、インドトパーズパファーが入ってきます。別名マミズフグとも呼ばれていますが、実際のところは真水では長く飼育することはできません(健康を害してしまう)ので、この名前はあまり使わないほうが良いでしょう。またマミズフグ(別名:インドトパーズパファー)のように、いかにも真水で飼育出来るような名前のフグも、産卵のため一時的に川や湖、池に遡上してきたところを、捕まえられたもので、長期間の淡水飼育はあまり好ましくありません。ただしミドリフグよりは淡水に順応する能力は高いと思われます。 |

幼魚(1.5センチ)
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この種のフグは、生息する場所によって体の模様が若干異なります。インド東側で採れたものは、全身がカメの甲羅のような模様。インド西側で採れたものは、お腹に虫食いのような模様が入っています。そしてスリランカで採れたものは、お腹には模様が入らずに真っ白です。ちなみに、こんな風に同じ種類であるのに住む場所によって形態が違っているもののことを亜種と言います。(時には全く違う種類であるかのように見えることもある。)
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若魚(12センチ)
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このフグは成長がとても早く、たちまち20センチくらいにまで成長してしまうので、なるべく一度に複数匹を買うことは避けたほうが良いでしょう。幼魚の頃はとても小さくかわいらしいので、ついつい何匹も欲しくなってしまいますが、健康に飼育するには60センチ水槽に2〜3匹までが限界です。 |
インドネシアの南の島々やニューギニアからは、レッドラインパファーというフグがたまに入荷されることがあります。10センチを超えない、小型のかわいらしいフグです。現地では特に珍しいということもなく、普通に目にすることが出来るそうですが、ミドリフグなどに比べると少し地味な印象のせいか、日本ではあまり人気はないようですね…。
性格はちょっと臆病でおとなしいので、同種同士なら混泳もOK。同種以外にもこのフグのほうから攻撃を仕掛けていくことは滅多にないのですが、逆に他種に意地悪をされてストレスを受けることが多いため好ましくありません。マングローブの根っこなどを沈めて、水質を弱酸性に保ってあげれば、それほど飼育自体は難しくはありません。成長も遅く、終生あまり大きくはなりません。餌は人口飼料にでも簡単に餌付いてくれることが多いので、比較的飼い易いフグといえます。 |

レッドラインパファー
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南米からは、クロオビフグという標準和名を持つ、南米汽水フグがまれに入荷されます。顔つきは少々タラコくちびる気味(?)で、身体には黄色と黒の模様があるフグです。実は40センチ以上にも成長する大きなフグなので、出来るだけ大きな水槽で飼育してあげましょう。また性格が大変荒く、同じ種のフグにも噛み付いて食べてしまうことがありますので、飼育は単独飼育が望ましいと思います。 |

南米汽水フグ
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南米レオパードパファー
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ヨリトフグの仲間
また、南米汽水フグ以外にもヨリトフグ属の南米レオパードパファーや、ターゲットパファーなどのフグが数種入荷されます。これらは残念ながら汽水域に一時的に入ってきただけの海水フグのため、塩分濃度はやや高めで飼育し、徐々に海水に慣らしていったほうがよいでしょう。また、ターゲットパファーは成長すると40センチを超える、やや大型のフグですので飼育を決める際にはよくご検討ください。 |

ターゲットパファー
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オキナワフグ
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日本にも汽水に入ってくるフグが2種類います。沖縄地方に生息するオキナワフグと、日本近海に生息するクサフグです。オキナワフグは幼魚期に遡上することが知られており、10匹くらいの群れで泳いでいる幼魚が、純淡水域の川などで目撃されることがあります。ただし、成魚になる頃には生息の場所を海に戻すようなので、終生淡水での飼育は無理のようです。クサフグは、河口近くでフナやコイなどを釣っているいるとき、稀に釣り針にかかることがあるそうで、川を遡上することが知られています。産卵のための準備行動であるという説もあるそうです。
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クサフグ
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タキフグ
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東南アジア、オーストラリアからは、タキフグの幼魚、シッポウフグの仲間が、数種入荷されます。いずれも海水フグですが、幼魚が淡水魚や汽水魚として稀に入荷されることがあります。 |

メフグ
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おとなり中国沿岸や渤海、そこへ注ぐ大河・長江からは、メガネフグ、メフグが入荷されます。いずれも海水フグですが、早春、産卵のために、海から千キロも離れた純淡水域にまで群れで遡上することが知られています。そのため真水に順応する能力は高く、そのまま湖や池などにとどまる個体までいるほどです。従って、半海水の環境でなら長期間の飼育も可能といえそうです。ただ、高水温は苦手らしく、25℃前後の水温維持が望ましい。 |
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