11月08日 12時57分
人間に最も近いとされる類人猿、ボノボはヒトと同じように40歳を超えたころから老眼が急激に進むことが分かったと、愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所のグループが発表し、ヒトの老眼の仕組みを理解する手がかりになるとして注目を集めています。
京都大学霊長類研究所の柳興鎭さんたちのグループは、去年、アフリカのコンゴに生息する野生のボノボ14頭について、毛繕いをする際の指先から目までの距離と年齢の関係を調べました。
その結果、10代と20代の若いボノボでは距離は11センチ以内でしたが、歳をとるにつれて距離が長くなり、最も年老いた45歳のボノボでは43センチになっていました。
特に40歳を超えると目の焦点が合う距離が長くなっていて、これはヒトの老眼の進み方とよく似ているということです。
老眼はチンパンジーでも起こることが知られていますが、類人猿で年齢との関係を詳しく調べたのは初めてだということです。
柳さんは「調査結果は人間とボノボでは目の老化の速度が共通の祖先から大きく変わっていないことを示唆している。老眼は自然な老化の過程であることがうかがえる」としています。
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