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ニュース・解説
【子宮頸がんワクチン特集】打った後の体調不良に苦しんだ立場から 10代後半の女性とその母親
【女性の母親】
薬液の成分なのか、注射の刺激によるものなのかはわかりませんが、子宮頸がんワクチンが、長女の症状を引き起こすきっかけになったと思っています。受けさせなければ良かったとも思っています。他人が受けるのを止めようとは思いませんが、次女には受けさせるつもりはありません。長女を治してくれた接骨院の先生からは「娘さんの症状は心因性です」と説明を受けて、納得しています。「心因性」と言われると、「気のせいってこと?」ととらえてしまう人もいますが、つらいと胃に穴が開いたり、円形脱毛症になったりするのと同じことではないでしょうか?
娘は子宮頸がんワクチンという注射がきっかけで症状が表れたのだと理解しています。きっと、心因性や自律神経性の症状を誘発しやすいワクチンなのでしょう。中には、ワクチンの成分が直接、体に悪さをした被害者もいるかもしれませんが、その人たちに対してもしっかり治療法が研究されてほしいと思います。
長女は父親の転勤で転校を繰り返し、勉強についていくのに大変な思いをしました。ワクチンを打ったのも、転校したばかりで成績が下がった頃でした。両親の不仲もあり、ワクチンを打つ直前は、離婚の話も出ていて不安もあったのでしょう。加えて、私は障害がある次女の世話で手いっぱいでしたし、長女にはずいぶん我慢させてきました。やりくりが大変で、進学は公立校だけと告げていたこともプレッシャーになったのかもしれません。
長女の治療は、施術の効果もあると思うのですが、私は「まじないの言葉」が一番効いたのでないかと思っています。先生は、私たちの話にじっくり耳を傾けてくれて、「つらかったね。治るよ」と言ってくれました。その言葉で娘も私も治る気がして、「治すスイッチ」が入ったのだと思います。考えてみれば、施術や食事療法のほかは、普通に規則正しい生活をして、自宅でできる簡単な運動を続けるよう指導されただけなのです。「治りますよ」という希望が示されていたので、効果を発揮したのだと思うのです。
ほかのご家族とも連絡を取り合っているのですが、皆さん、いろいろな先生や病院を渡り歩いてきた人ばかりです。強い薬をてんこもりにされたり、体に負担のかかる治療法を続けさせられたりして、治療のせいでかえって体調が悪化している子もたくさんいて、かわいそうです。皆さん、一般の医療機関で「気のせいだ」「ワクチンのせいではないのに大げさに」と鼻で笑われた経験があって、悔しい気持ちで、 藁 にもすがる思いで薬をたくさん使う先生にたどり着いています。そうした初期対応の落ち度が、副反応を訴える患者の治療を複雑で難しくしている面があると思います。
ワクチンの効果を強調する人たちは、「検診だけでは、がんになるのを防げない」と言いますが、こういう苦しい目に遭うと、まだ見ぬ効果よりも、既に味わったつらさの方が上回ります。当時のことを思い出すだけで、胸が苦しくなります。娘にちょっと下痢が続いただけで、「もしかしたら、あのワクチンのせいなのかもしれない」とつい考えてしまう。親もトラウマを抱えているのです。今はそういう不安を相談できる窓口がありません。
私たち家族も、高額な治療費がかかりました。一般病院の医師はワクチンとの因果関係の可能性を一切認めてくれませんでしたから、カルテにワクチンのことを書いてくれたのは目の不調でかかった眼科だけです。任意接種の期間でもあり、被害救済を求めるのは無理だろうとあきらめていますが、診療上の不備があったことも知ってほしいと思います。
※編集部注 この欄は寄稿欄ですが、今回はヨミドクター編集長の岩永直子が取材して、聞き書きの形にしています。施術などについては女性の個人的な経験であり、一般的に推奨されているものではないことを付け加えておきます。
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