11月02日 19時44分
認知症の人やその家族が交流したり悩みを相談したりする「認知症カフェ」の開設が全国各地で相次ぐなか、名古屋市内では100か所を超えたことが分かりました。
認知症カフェは認知症の人やその家族を支えるため、国が設置を呼びかけていて、名古屋市は去年7月から月に1回以上開き、認知症に詳しい専門職を配置することなどを条件に開設時に5万円までの補助を行っています。
名古屋市によりますと、多くは介護事業所などが運営し、月に1回だけ開設するところが多いものの、10月末までに登録された「認知症カフェ」は101か所になったということです。
このうち、名古屋市千種区にある「まちかどカフェ」と名付けられた認知症カフェは、週に3回、午前9時半から12時まで開かれています。
2日も認知症の人や介護をする家族、それに地域の人たちが集まり、100円で提供されるパンを食べたりコーヒーを飲んだりしながら、和やかに談笑していました。
地元に住む水川洋二さん(77)は認知症の妻、敦子さんと一緒に週に1回、カフェを訪れています。
2年前に息子を頼って岡山県から引っ越してきたため、近くに友人がいないということで、水川さんは「カフェがなければ孤立していたと思う。同じように介護をする人やスタッフに悩みを聞いてもらい、どう介護をしたらいいかヒントをもらうことができ、安らぎの場です」と話していました。
カフェを運営する名古屋市療養サービス事業団の保健師の宮尾多美子さんは「認知症の人や家族がゆっくりできる場所が少ないので、くつろいで仲間と交流し、情報を得られる場所にしていきたい。地域の人にも利用してもらい認知症の人と触れあうことで偏見や差別をなくすきっかけになってほしい」と話しています。
新着ニュース