11月02日 19時04分
知り合いの女性を殺害し、遺体を福井県の九頭竜湖に遺棄したほか、交際相手だった別の女性を窒息死させたとして殺人や傷害致死などの罪に問われた男に対し、名古屋地方裁判所は無期懲役の判決を言い渡しました。
岐阜県美濃加茂市の中古車販売業、林圭二被告(44)は平成23年、すでに懲役14年の刑が確定している男とともに、知り合いで愛知県一宮市の森岡まどかさん(27)を殺害し、遺体を冷凍庫に入れて福井県の九頭竜湖に遺棄したとして殺人と死体遺棄の罪に問われました。
また、平成21年には、交際相手だった浅埜江里さん(26)の首に鎖を巻かせて窒息死させたとして傷害致死の罪にも問われました。
検察は死刑を求刑し、弁護側は殺人の罪を認める一方、傷害致死の罪については「鎖を巻くよう命じた証拠はない」として無罪を主張していました。
2日の判決で名古屋地方裁判所の景山太郎裁判長は傷害致死の罪について、「浅埜さんは以前から被告に心理的に支配され、鎖を巻くよう暗に命じられれば、それ以外を選ぶことができなかった」と指摘し、有罪と判断しました。
そして、森岡さんを殺害した罪については、「非情で残忍な犯行だ」と指摘する一方、「殺人の被害者は1人で、ほかの事件と比べて、極めて残虐とまでは言えない」として、死刑の判決を避け、無期懲役を言い渡しました。
判決を受けて、殺害された森岡まどかさんの遺族は「判決の内容は非常に残念です。過去の事例との均衡は必要かもしれませんが、愛する娘を失った家族の苦悩は今でもとても深く、家族としては控訴してほしいと思っています」とコメントしています。
また、浅埜江里さんの遺族は「人間の尊厳を失わせられるような扱いを受けていた事実と責任が求められたことについてはよかったと思いますが、それが死刑という結論に結びつかなかったことはとても残念です」とコメントしています。
名古屋地方検察庁の早川幸延次席検事は「裁判員の理解を得るよう最大限の努力をしたが、死刑の求刑に対し無期懲役の判決となった。
今後の対応は上級庁と協議したい」とコメントしました。
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