韓国をはじめ世界130カ国で実施されている米国の大学進学適性試験「ACT」の韓国での試験方式が、来月から大きく変わることになった。
同試験を主管する米ACTは7日、自社ウェブサイトで「12月に予定されている試験から、韓国ではACT社が指定する1カ所でのみ試験を実施し、試験監督官も本社から派遣する」と発表した。他国での試験には触れておらず、韓国だけを対象とした発表だった。ACTは「SAT」と並び、米国のほとんどの大学が要求する進学適性試験だ。
ACTは発表文で「韓国における一部の不道徳な人々による犯罪行為が、一生懸命勉強している学生の努力を台無しにする状況をなくす」とした上で「本社監督官の立会いの下、1カ所でのみ試験を実施し、ACTのセキュリティーと公平性を強化する」と伝えた。韓国に対し、事実上「試験不正行為が疑われる国」という烙印(らくいん)を押したのだ。
ACTはこれまで、韓国試験センターに指定された全国26校の学校で実施されていた。今年6月、ACTは試験当日の朝に「問題流出が確認された」として韓国での試験を突然中止した。
ACTを実施してきたインターナショナルスクールの関係者は「元塾講師の専門ブローカーたちが、数千万ウォン(1000万ウォン=約90万円)の謝礼を払うから問題を見せてほしいと近づいてきたことがある。6月と10月に不正行為が相次ぎ、ACTが超強硬手段に出たようだ」と話している。また、韓国のある英語スクールの経営者は「試験会場を1カ所に統合すれば、留学を希望する地方の学生が大きな不便を強いられるだけでなく、国全体のイメージが悪くなり、学生たちが米国の大学入試で過小評価されるといった不利益を受けかねない」と懸念を示している。
韓国ではこの間、ACTだけでなくSATでも問題の事前流出疑惑が繰り返し浮上した。SATの運営側は2013年、問題用紙の流出を理由に韓国で実施した試験の点数を全て無効にした。