香港独立派議員の資格剥奪 中国全人代が「基本法」解釈を公表 「一国二制度」は有名無実化
【北京=西見由章】9月の香港立法会(議会)の選挙で当選した反中派の新人議員2氏が就任宣誓を「無効」とされた問題で、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は7日、公職者の宣誓を規定した香港基本法(香港特別行政区の憲法に相当)104条に関する解釈を示した。宣誓を拒絶したり、不正確・不誠実に行ったりした場合は公職に就任する資格を失うとし、2氏の議員資格を剥奪する内容となった。
基本法104条は議員ら公職者が就任する際、「基本法を擁護し香港に忠誠を尽くすと宣誓しなければならない」と規定。解釈は、宣誓をやり直すことはできず、宣誓後に誓いに背く行為に及んだ場合は法的責任を負うとの判断も示した。
1997年の香港返還以降、全人代常務委が基本法について解釈を示すのは5度目。選挙で選ばれた香港の議員が北京の判断に基づいて排除されることになり、基本法の理念である香港の「高度自治」や、「一国二制度」に基づく司法権の独立を有名無実化させる動きとして反発が強まることは避けられない。
一方、全人代常務委の李飛副秘書長は7日に記者会見し、「香港だけに忠誠を尽くし中国に忠誠を尽くさないならば、香港を独立した政治実態とみなすことになり、『一国二制度』に反する」と主張した。
議員2人は「本土派」と呼ばれる香港独立志向の政党「青年新政」に所属する梁頌恒氏(30)と游●(=くさかんむりに惠)禎氏(25)。10月の就任宣誓時に「香港は中国ではない」と書かれた旗を議場で広げ、中国を「支那」と読み上げた。