名古屋市教育委員会は7日、同市中村区の市立日比津中学校(生徒411人)で今月、理科担当の男性教諭(27)が1年生の理科の実験で有毒な塩素ガスを発生させ、生徒6人が臭いをかぎ、うち女子生徒1人が一時入院したと発表した。
実験は今月1、2日に1年生の3クラスで「気体の発生と性質」という授業でそれぞれ行った。教諭がビーカーに入れたトイレ用酸性洗剤10~15ミリリットルに台所用の塩素系漂白剤を数滴混ぜ、教室内を持って回り、希望した生徒に臭いをかがせた。1日はかいだ生徒がいなかったが、2日は6人おり、うち女子生徒1人が直後からせき込むようになって区内の病院に救急車で搬送された。4日に退院した。
市教委に対し教諭は「混ぜるとぶくぶくと泡が出る。理科への関心を高めてほしかった」と話しているという。同校は6人の生徒と保護者に謝罪し、健康確認を行った。
市販されている塩素系漂白剤や酸性洗剤は両者を混ぜないよう容器に表示している。メーカーや関係団体もホームページなどで注意を呼び掛けている。【三上剛輝、清藤天】