現場の大学生ら 展示立ち会い初めてか

東京・新宿区の明治神宮外苑のイベント会場で展示物が焼け、5歳の男の子が死亡した火災で、当時、現場にいた制作者の大学生らが展示に立ち会ったのは初めてだったと見られることが、警視庁への取材でわかりました。大学生は「火災当日に初めて展示物の中で白熱電球を点灯させた」と説明しているということで、警視庁は、白熱電球を使う危険性について、大学生の間で情報が共有されていたかどうか、調べを進めています。
6日、現代アート作品の展示会が開かれていた東京・新宿区の明治神宮外苑のイベント会場で、日本工業大学工学部の学生らが制作したジャングルジムのような木製の展示物が焼け、中で遊んでいた港区の幼稚園児、佐伯健仁くん(5)が死亡、助けようとした父親など2人がやけどをし、警視庁は、業務上過失致死傷の疑いで捜査しています。
これまでの調べで、展示物には制作した大学生が交代で立ち会っていましたが、当時、現場にいた大学生らは、このときが初めての当番だったと見られることが、警視庁への取材でわかりました。
展示物の演出には、通常、LED電球を使っていましたが、大学生は「日没で暗くなったので、火災当日に初めて、展示物の中で、作業用の白熱電球を点灯させた」と説明しているということです。
白熱電球の熱が原因で、展示物に使われていた木くずから火が出たと見られていて、警視庁は、高温になる白熱電球を使う危険性について、大学生の間で情報が共有されていたかどうか、調べを進めています。

献花台に多くの人

火災があったイベント会場近くに設けられた献花台には、8日も、手を合わせたり花やお菓子を供えたりする人が多く訪れました。
このうち、自分の孫が、亡くなった佐伯健仁くん(5)と同じ幼稚園に通っているという70代の女性は「本当にかわいそうで、どうしてこんなことになったのか、親御さんにかける言葉が見つかりません。管理する人がきちんと対応していればこんなことにはならなかったと思います」と話し、涙を流しながら手を合わせていました。

岡山県から出張中だという40歳の会社員の男性は「同じ5歳の子どもを持つ父親として、お参りしないわけにはいきませんでした。安全管理がしっかりしていれば起きなかったと思います。子どもはいろいろなところで遊ぶので、安全に気をつけてほしいです」と話していました。
また、幼い子どもを連れて訪れた女性は「近くに住んでいて、自分も子どもがいるので手を合わせに来ました。本当に言葉がないです」と話していました。