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【主張】
パリ協定発効 日本は「自虐」と決別せよ
太陽光や風力発電に期待を託す声があるが、規模が大きくなるほど、雨や無風での停止中にその不足を補うバックアップ電源設備もセットで同量、拡大する。
代替電源には機動性が必要なので火力発電の増設を招き、二酸化炭素の排出増につながるのだ。
日本での二酸化炭素の確実な削減は、原子力発電を抜きにして不可能である。一部に反発の声も上がるだろうが、安倍晋三首相は、この現実を国民に積極的に説明しなければならない。
このまま進めば排出削減にも失敗し、エネルギー不足に起因する景気低迷にも苦しむ失意の30年代に突入しよう。温暖化対策と電源構成をめぐる現政権のあいまいな対応は欺瞞(ぎまん)の色を深めている。
現実を冷静に分析し、原発の安全活用で、新たな脱炭素時代の到来に臨みたい。