はじめに
今年も暖房器具が出揃いました。たかが暖房器具、されど暖房器具。同じ暖房器具を買うのでも、せっかく買うなら、やはりコダワリを持って選びたいところ。
では、どんな暖房器具を選ぶか。お得で、機能満載で、安全で、ノーメンテナンスで、人気の暖房器具? 今回は「暮らしのブログ」らしく、他とはちょっと違った基準で暖房器具をチョイスしてみたいと思います。
選んだ基準は
愛車みたいに、「愛」暖房器具になってくれそうな暖房器具。
たとえば、
- 根強いファンに支えられている
- ひとクセある、エッジが立っている
- 長年使っても、飽きがこない秀逸なデザイン
- 据え付け型ではなく、収納可能でポータブル
な暖房器具。というわけで、「暮らしのブログ」が選んだ、「おしゃれデザイン家電代表の暖房、ストーブ、ヒーターを7ヵ国9製品に厳選」行ってみたいと思います! レッツゴー!
時の洗礼を受けたロングライフデザインな暖房器具
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70年経った今もコアなファンが
たくさんいる英国発の暖房器具
アラジン社
ブルーフレームヒーター
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主な特徴
- 対流式石油ストーブ
- 電源不要。停電、災害時でも使える
- 円柱型なので360度暖かい
- ヤカンや鍋を乗せてコトコトできる
- 現代では、当たり前の機能がほとんど無い
- メンテナンスに気を遣う
- 2、30年は使っている人もいるほどの耐久性
対流式石油ストーブの元祖。発売から80年経った今も愛され続けている暖房器具、それが「アラジン社 ブルーフレームヒーター」。英国発祥で、発売当時の輸入代理店はなんとメルセデス・ベンツでおなじみの「ヤナセ」。これだけで、由緒正しさを感じてしまいます。
友人がアラジン好きで、アンティークもあわせて5台くらい持っているのですが、本当に暖かい。炎を見ると暖かい。そのフォルムも暖かい。何度欲しいと思ったことか・・・ でも、そのメンテナンスの面倒くささから、諦めて20年。使う人を選ぶけれど、時の洗礼を受けて生き残った、本当に素晴らしい暖房器具なのです。
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オリジナルモデルに忠実な青磁のような色合いのグリーンのストーブ
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より、現代的で重厚感が出た、比較的新しいモデルのストーブ
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アラジン専用のストーブガードがカッコイイ! 手作りなので順番待ちです。
創業1948年
ドイツ発の湯たんぽの老舗
ファシー社
ラジエーターボトル(フリースカバー)
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主な特徴
- 燃料はお湯、室内の空気を汚さない
- 50度のお湯で5~8時間温かい
- 熱さを感じさせない、表面の細いひだ
- 専用のカバー付のがお得感あり(写真はフリース)
- デザインの種類も豊富
- 芸能人から登山家まで人気
- PVC製なので、割れない。耐久性が高い
- -20度〜90度まで使えるので、夏は氷嚢になる
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湯たんぽはエコです。部屋が寒くても、これを体に抱えれば体がじっくり温まる。空気も汚さない。体が温かいから暖房も弱めの設定ですむ。冷えた水は、植物にあげればOK。もはや、湯たんぽ最強という噂も。
今回オススメするのは、ドイツ最大の湯たんぽメーカー「ファシー社」の「ラジエターボトル」。お湯の熱さを直に感じないような工夫がPVCの表面になされていて、カバーを付ければ、温度がじんわりと伝わります。推奨温度は50度〜60度。スチールや陶器の湯たんぽのような、ヤケドの心配も最小限に抑えられます。
豆知識ですが「湯たんぽ」という言葉は、「妻や母親の温かい体温を感じながら寝るように、お湯を入れた容器を代わりに抱いて寝る」というのが由来らしい。まぁ、なんと愛暖房器具。
この冬、イチ押しの「暖房器具」です。
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1975年以来、世界60ヵ国で
累計5000万台を販売
イタリア デロンギ社
パネル型 密閉オイルヒーター
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主な特徴
- 部屋の空気を汚さない。換気不要。
- 部屋全体を優しく、ゆっくり暖め、自然な暖かさをキープ
- 赤ちゃん、お年寄りにも優しい
- 表面温度は80度なので、やけどの心配がほとんどない
- 単純な構造なので、非常に壊れにくい。
- 電気代がべらぼうに高くなるケースも
- 一から部屋を暖めるには1,2時間かかることも
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こちらも、暖房器具界のロングセラー商品。その高額な電気代をよそに、多くのファンに支えられているのがイタリアのデロンギ社「オイルヒーター」です。その人気の理由は、ズバリ「静か・安心・安全・自然な暖かさ」にあるといえるでしょう。
パネル内の密閉されたオイルを暖めることで、その熱がフィンを通して放熱される方式。だから、床暖房のように、輻射熱と対流で穏やかに室内を暖めます。空気というよりも、壁、床、天井、人なども暖めるので、部屋全体が自然な暖かさに。
一酸化炭素、二酸化炭素中毒の心配もありません。赤ちゃんやお年寄りのいる家庭では、特に人気です。耐久性も素晴らしい。うちのは15年目でも壊れず、かえって心配になって買い替えたくらいです。
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濡れタオルをかければ、加湿効果も(専用ハンガー)
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エッジの効いた、逸品入り間近の暖房器具
これ暖房器具?
見た瞬間に欲しくなった
フランス キャンパ社
パネルヒーター ベルリス
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主な特徴
- アルミと一体化したガラスパネル(幅86㌢)全体から遠赤外線を放出
- 表面温度約40℃の安心設計(上部も最大80度)
- 部屋全体を優しく、ゆっくり暖め、自然な暖かさをキープ
- 空気を汚さず、赤ちゃん、お年寄りにも優しい
- 電気代がすごい。デロンギといい勝負
- 個室で仕事ができる環境の人にはピッタリの暖房器具
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まさにフランスらしいデザイン。ル・コルビュジエなら「暖房は暖めるための機械である」と言いそうな、無駄を一切省いたシンプルデザイン。一見して暖房と分からないので、インテリアを壊しません。
一方で、一日中つけっぱなしにするので、寒がりな人には電気代が酷な仕様。別モデルですが、1ヵ月3万円電気代がアップしました。ただ、石油ストーブのように、空気が汚れて頭痛がするような心配はゼロ。部屋をふんわりと暖め、ファンも無いので音もほとんどしません。つまり、存在を感じさせないのです。
電気代を気にせず、とにかく仕事に集中したい人ならコレは最高です。
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カセットコンロではなく、
カセット暖房器具?
日本発 イワタニ社
CB-STV-EX2
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主な特徴
- 市販のカセットガスが燃料。電源不要
- 停電、非常用にピッタリ
- 寒さが厳しい日、もう一台暖房が欲しい日にぴったり
- コンパクトなのに、ハイパワー
- すぐに暖かくなる
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カセットコンロのイワタニ社製。さすがの一品です。寒さが厳しい時、オイルヒーターではすぐに温まらないけど、エアコンのヒーターは付けたくないときに重宝します。すぐに暖まるし、この時期カセットガスは安いので、サブ機として優秀な一台です。
あまりに、素晴らしくてコメントしようがないほど、一台あると本当に便利です。軽いし、電源不要、コードもないし、市販のカセットガスが使えるので、停電や非常災害時のためにも、あると非常に安心。飾らない無骨なデザインも◎。
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上位機種は、小さいうえに、電源・電池不要で超ハイパワー。なんとカセットガスのみで「ファンヒーター」になる優れ物
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近頃、話題性の高いヒーターたち
デザイン事務所のトイレで高遭遇な
セラミックファンヒーター
スイス スタドラーフォーム社
Anna PTCファンヒーター
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主な特徴
- スイスのデザイン家電メーカー
- 小さくて生活感ゼロのセラミックヒーター
- ビビッドな色もあり、カラーバリエーションが◎
- 1200Wも消費する割には非力
- 小さなところまでこだわっている感あり
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はじめて見たときは、スピーカーかと思いました。
このスタドラフォーム社の家電は、デザイン事務所で最近よく見かけます。プラスマイナスゼロのセラミックヒーターが流行った時期もありましたが、去年あたりから、スタドラフォームの加湿器やヒーターをよく見かけます。
セラミックファンヒーターは、あくまでも「いざっていう時用」。たとえば、トイレや脱衣所など、急いで暖めたい場所にピッタリです。そんな、メインの場所じゃないところに使うヒーターだからこそ、こだわりを持って選ぶと、気分も上昇します。
なんか、こういうオブジェっぽい家電って落ち着きますよね。
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安心してください、
火は使っていません。
アイルランド ディンプレックス社
電気暖炉 オプティミスト
ピアモント PMN12J
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主な特徴
- 水蒸気を利用し、本物の炎のような臨場感
- 暖炉の炎のさながらの 1/fゆらぎで、リラックス
- 視覚的に癒され、暖かさを感じる効果がある
- ファンヒーターとしての熱は下から出る(非力)
- ただの暖房器具と考えると、パワーの割にカナリなお値段
世界最大級の電気暖房器具会社「ディンプレックス社」が作るこの電気暖炉は、暖炉が欲しいけど住宅事情などを考えると無理っていう人たちに大人気。世界的には、飛ぶように売れている高級家電の一つです。
この炎。最近やたらとホームセンターで見かける、安売りの「ウソっぽい暖炉」とは全く違います。水蒸気を利用し、本物そっくりに炎のゆらぎを再現するのです。
わたしも、住宅展示場を見学した際、この電気暖炉と出会い「欲しい!」と思ったのですが、まだ勇気がでません。お値段なんと10万円超!でも、Amazonのレビューで、お値段以上とか言っている人を見ると、やはり今年は買いか?
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WIFIでコントロールし、
10分で暖まるアルミラジエターヒーター。
日本のベンチャー家電メーカー
バルミューダ社製 SmartHeater2
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主な特徴
- アルミラジエターヒーター方式
- オイルヒーターの約5倍のスピードで立ち上がる
- 部屋の空気を汚さず、一酸化炭素のための換気不要
- 部屋全体を優しく、ゆっくり暖め、自然な暖かさをキープ
- 外出先からオン・オフや室内の温度設定をコントロール
- インテリアで主張しない、シンプルなデザイン
日本の家電業界に新風を巻き起こした扇風機の登場から、4年後に登場したのがオイルヒーター。オイルヒーターと言えば、ゼンマイ式のタイマーとサーモスタットだけで管理するため、1日中使うと電気代がもれなく月々数万円単位でアップします。しかも、節約しようと外出中一度オフにすると、帰宅後オンにしてから部屋が暖まるまで、相当な時間が掛かります。
しかし、スマートヒーター2なら、オイルヒーターより5倍早く暖まるうえ、「UniAuto」というアプリを使えば、外出先からスマホで電源のオンオフが可能。電気使用量や、室温など細かい設定も可能です。しかも、ファンがない輻射熱方式なので、空気も汚れない。イニシャルコストは高いが、ランニングコストの安いファンレスヒーターの登場というわけです。
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Wi-Fiでコントロールできる加湿器を併せれば、パーフェクト。プラズマクラスターが欲しいとかは、この際禁句です
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おわりに
本記事「おしゃれデザイン家電代表の暖房、ストーブ、ヒーターを7ヵ国9製品に厳選」で選んだ暖房器具は、どれも個性的ですが、すでにロングセラーだったり、ロングセラーになりうる製品ばかり。
耐久性の高い暖房器具ばかりなので、どれを選んでも長く楽しめますし、不要になったらオークションなどで売れるので、非常にコストパフォーマンスが良い製品です。
普段とはちょっと異なる視点で選んだ暖房器具たち。この記事が「長く愛せる『愛暖房器具』選び」のちょっとした参考になればうれしく思います。