科学研究における不正行為の定義にセクシャル・ハラスメントを含める提言
Top AAAS Official Calls for Broader Scientific Research Misconduct Policing
2016年9月12日付の米国科学振興協会(AAAS)の標記に関する発表の概要は以下のとおりである。
セクシャル・ハラスメントのような行為は受け入れがたい行為であると同時に財政的にも深刻な悪影響をもたらすとして、AAAS幹部が連邦政府高官に対してセクシャル・ハラスメントを研究不正行為の定義に含めるよう強く求めている。
AAASの最高執行責任者、セレスト・ロールフィング(Celeste Rohlfing)氏は、「研究環境におけるセクシャル・ハラスメントは科学研究という職業に対する冒涜であり、我々の倫理基準を侵害するものである。連邦政府各省庁はそのファンディングによる助成に関して管理権限を有しており、その監査組織は研究不正行為の定義を拡張して、申し立てを審査し(大学が消極的な)是正措置を決定できるようにすべきである」と述べている。
ロールフィング氏の提案は、上司や同僚によるいやがらせ、脅し、暴力を受けた社員に対して適用される既存の法的枠組みの範囲を拡張しようとするもので、より迅速で公的な調査を促すことができる。
研究助成金を出す連邦省庁のほとんどは研究不正行為を各々の監査組織に委ねている。これは連邦政府や軍の独立組織で、その権限の下に各プログラムにおける浪費、詐欺、不正使用の取り締まりが認められている。しかしこのような管理に統一されているわけではなく、例えば保健福祉省(HHS)では研究不正行為の扱いを研究公正局に依存している。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]