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ひとり部長のひとり映画鑑賞

ひとり部長が映画をひとりで鑑賞し、ひとりごとのように映画のレビューや感想を述べるサブブログ

【★4.0】映画「おいしい生活」の感想・レビュー・評価【深海のような深みをもつチープな脚本】

aジャンル:コメディ ★★★★☆ これは見とけ ウッディ・アレン

タイトル:おいしい生活

おいしい生活 (字幕版)

 

ウッディ・アレン監督の第31作。結婚25年目の夫婦、レイとフレンチー。実はレイは初めての銀行強盗で投獄され刑務所を出たばかり。こんどこそ完全犯罪をと、銀行強盗を計画し、カモフラージュのためクッキー屋を始める。ところが、この店が大繁盛、2人はあこがれの大金持ちになってしまうのだが……。アレン自身が「地球は女で回っている」(97)以来の主演に復帰。毒舌家の妻役は「ブロードウェイと銃弾」(94)のトレイシー・ウルマン。アレンの過去作の出演俳優が多数共演。

キャスト

※それぞれのキャストをクリックすると関連する記事一覧に飛びます


レイ・ウィンクラー

フレンチー・ウィンクラー

チー・チー・ポッター

 

レビューと評価

総合:★★★★☆(4.0)
俳優:★★★★☆
脚本:★★★★☆
演出:★★★★☆

今回もまたまたウディアレンです。

 

もうね、多分彼の作品を全部見てしまわないとダメなんだと思うw

 

おいしい生活」は、彼の31作品目ですが、もう15年も前になるんですね。

といっても、ここ20年くらい風貌が変わっていないようですがw

 

 

主演はもちろんウディアレンです。

 

 

今回もバカな男を演じていますが、これが本当にバカw

 

幸せになるために銀行強盗を企みますが、 銀行強盗をするために、銀行の隣の隣にできた空き家をゲット・・・するためにアホな仲間と妻を説得して金をあつめて・・・

とえんえんとウンウンする姿は「不憫」そのもの。

 

このウディアレンが神経質なバカを演じるときのウンウンする姿がなんともタマランという人は多いのではないでしょうか。

 

なんだかんだで空き家をGETし、銀行までの地下通路を掘っている間、妻にクッキーを焼かせますが・・・・。

もうね、この時点でオチが見えるんですよwww

 

なんちゃってクッキーが近所の大評判を生み、銀行強盗するまでもなく金持ちになっちゃうわけです。

なんてラッキーな男だこと。

 

そして、 この作品が面白いのはオチが見えちゃったここからです。

 

妻フレンチーは教養のないまま大富豪になってしまったことを悔やみ、美術収集家のデビットに教えを乞い、自己の成長を促し「真のセレブ」を目指そうとします。

 

反対に夫レイは、大富豪になったことで毎日が忙しく、大好きな妻の手料理「肉団子スパゲッティー」やチーズバーガーが食べられないことへの不満が募るばかり。

セレブになったことを半ば悔やむようになり、セレブを極めようとするフレンチーと溝ができてしまいます。

 

どっちの立場も理解できるように表現できているところがすごい。

 

見ているこっちはセレブになんかなったことがないだけに、その教養の無さからいきなり大富豪の仲間入りになったときの感覚を疑似体験することができ、実際のところそうなってしまった時に「果たしてこのままの知識や感覚で大丈夫なのか」と思わせてくれるし、反対に

 

本当は「豪勢なディナー」ではなく、チーズバーガーや化学調味料たっぷりのギトギト中華料理の方が満足できることを知っている。

(これを研究室の大先輩が「味の暴力」と表現しているのを聞いたひから、そう呼ぶことにいている)

 

僕たちは、妻フレンチーと夫レイのどちらにも感情移入しながらストーリーを追っていくことができるのだ。

  

 

そして、この映画が最後にちゃんと教えてくれることは、

 

 

バカな男はどこまでいってもバカである。

ということと、成金は本当の知識人にはなれない

ということと、最後の最後でしっかりしているのは女である

 

 

ということ。

まぁそんな真面目に人生のお勉強をする気概で見る映画ではないと思うんだけど!

ピザを頬張りながらというのが一番ですが、僕はいつも「さけるチーズ」と「ジンジャーエール」を片手にゲラゲラしています。

 

全体的に、見事にリズム感の良いコメディに仕上がっています。

一つ一つのシーンにウディアレン節が揃っているというか、

 

本当にくだらない一言一言がまた面白くて、

「もうくだらねえよ!これ!」と思うタイミングでさも何事もなかったかのようにきちんとシーンを変えるセンスに脱帽です。

 

シーンの面白さというよりもむしろ、そこが面白い。

ブルージャスミンみたいに人生終わり、尽きた感じで終わらず、ハッピーエンドで締め夫婦の愛が確認できたのもグッドでした。

さて、次は。。。

一番新しい妄想殺人を見るとしましょうか。

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関連ニュース・情報

この映画から人生の教訓めいたものを感じとることはもちろんできるでしょうが、そんな風にこの映画を観るのは野暮というもの。むしろ、軽い気持ちでビザでもかじりながら、ついでにテーブルの上に足でも放り出しながら、気楽に楽しみたい映画なのです。
「僕は、やっぱりジャンクフードを食べて安酒をあおって、バクチしたりしたいんだ。」 彼がメイに吐露するシーンでは、幸せとは個々の価値観で決まるということが如実に表れています。庶民である私のような観客からしたら、なんだか安心できるそのようなテーマが、ウディ・アレン作品が愛されるゆえんなのかもしれません。
私の笑いのツボには入らなかったものの、レイとフレンチーの掛け合いは夫婦漫才みたいで楽しいし、冒頭の穴掘りのくだりは面白かった。テンポも良いし。 ちょっと何か軽く観ようかなー、という時にもってこいな映画かと思います。
この映画、中年夫婦のめおと漫才風どたばた喜劇と称されているが、ウディ・アレンはほとんど老人。晩年の寅さんを彷彿とさせる、よぼよぼ感があった。しかし、97年に、再々々婚して子供も産まれたらしいから、決して枯れてなんかいないな、この爺さん。