バーレーンで行われていたアジアサッカー連盟(AFC)の男子U-19(19歳以下)選手権(兼国際サッカー連盟=FIFA=U-19ワールドカップ予選)で初優勝を飾った日本代表。6戦して4勝2分け(1PK勝ち)、総得点13。何よりも失点0というのが素晴らしかった。だが「東京五輪世代」として大きく期待がかかるこのチームには、「10年ぶりのU-20ワールドカップ出場」「アジア初制覇」という収穫よりも、懸念のほうが圧倒的に多かった。
ワールドカップに挑む日本代表を最終目標とした日本の選手育成は、3つの年代別世界大会(U-17、U-20、U-23の五輪)でいかに経験を積むかにかかっている。極東に位置し、公式戦の大半をアジアのチームを相手に戦わざるをえない。ワールドカップで初めて「世界との遭遇」が行われるようでは、上位進出など到底望めない。年代別の大会を積み重ねることで世界との違いを知り、差を埋める努力をすることを通じてワールドカップで戦う選手になれるのだ。
U-20ワールドカップでは、1999年ナイジェリア大会で準優勝。そのメンバーがその後10年間の日本代表のベースになった。だがラウンド16まで進んだ2007年のカナダ大会を最後に、日本はアジア予選の準々決勝でことごとく敗れ、この年代での「世界への扉」を閉ざされてきた。一昨年、「4大会連続準々決勝敗退」を受けてコーチから昇格した内山篤監督が、「何が何でも出場権獲得」という決意を固めたのは当然だった。
そのうえ、今年のU-19(97年以降生まれ)は20年にはU-23となり、東京五輪の中心的な年代となる。日本サッカー協会を挙げて「今回こそアジア予選を突破して世界大会へ」と期待したのも、また当然だった。内山監督と23人の選手たちは、見事その期待に応えたことになる。
■手放しで喜べぬ試合内容
しかしその試合内容を見ると、とても手放しで喜べるものではない。
初戦はイエメンに3-0。後半、相手のプレスが緩んでから3点を奪ったが、前半は攻撃面でほとんど何もできず、前途多難を思わせた。
第2戦はイランに0-0。相手が思いがけなく慎重な戦いをし、自陣に下がったためボールを支配できたが、決定的な形はつくれなかった。ただ、思い出したように繰り出すイランのカウンターをセンターバックのDF中山雄太(柏)とDF冨安健洋(福岡)が安定した守備ではね返したのは収穫だった。結果的に、このセンターバック2人とGK小島亨介(早大)の安定感が、無失点優勝の大きな原動力となった。
グループリーグ最後のカタール戦は、この大会で最も出来がよかった。イラン戦ではバックパスばかりしていた両サイドバックのDF藤谷壮(神戸)とDF船木翔(C大阪U-18)がアグレッシブに前に出し、不安定なカタールの守備をついて3-0で快勝した。