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61年ぶり姫島村長選で記者座談会

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 61年ぶりの選挙戦で注目された姫島村長選は、現職の藤本昭夫氏(73)が新人の藤本敏和氏(67)を大差で制し9選を果たした。ほとんどの有権者が、村長選では初めての一票を投じた今回の選挙。投開票から一夜明けた7日、“歴史的”な選挙戦を担当記者の座談会で振り返る。

有力者が“仲介”
 A 61年ぶりで注目されたけど、島の雰囲気は「選挙一色」という感じではなかった。盛り上がりはどうだったのだろう。
 B 普段は見ない選挙カーなどを新鮮に感じていた村民は多かった。「関心はあるけど話題にはしにくい。狭い村では人間関係に影響する」という意識が高かったようだ。
 C 投票率は88・13%。7月にあった参院選の81・05%よりは高い。一票にしのぎを削る2011年の村議選(92・30%)には及ばないが「静かに盛り上がった選挙」と言えるかもね。
 A 選挙では「島ならでは」の部分が多かった。
 B 条例がなく街頭には候補者ポスターの掲示板がなかった。両陣営とも選挙カーに大型のスピーカーや名前の看板は付けず、普通の軽乗用車を利用していたのも独特だった。
 D 告示前には、選挙戦になるのを避けるため、村内の有力者が仲介者として、新人候補に立候補をやめるよう打診したようだ。2年後に副村長ポスト、4年後に無投票で村長に就いてもらう案も示したが、まとまらなかったという。

くじ引きもなし
 A 告示日には、立候補の届け出順を決めるくじ引きもなかった。
 C 他の自治体ではくじ引きが当たり前だけど、県選管によると「法的な裏付けや規制はない」。届け出一番乗りを狙って、前日から泊まり込んだりすることを防ぐためにやっているらしいね。
 D 文化の日の3日には村の文化祭があったので、「迷惑を掛けないように」と両候補とも選挙運動を自粛する“休戦協定”を結んだ。
 B 他地域なら集客力のあるイベントは支持を訴える絶好の機会。ただでさえ5日間と短期決戦の町村長選だけに、有権者が政策を聞ける機会は少しでも多い方が良かったと思うよ。

初めての通信簿
 A 結果は現職が1199票、新人が512票のダブルスコアだった。事実上の信任投票だったのでは。
 B 現職は組織票を固めて堅実に戦った。実績をアピールして多選批判をうまくかわしたね。新人は準備不足の感が否めず、現職に対抗する政策をしっかり打ち出せなかった。村内で変革を望む声が殊更に盛り上がっていたわけではなく、安定志向が結果に反映したのだろう。
 C 大差ではあったけど、現職の圧勝とは言えないんじゃないかな。現職陣営は、思いのほか批判票が多かったという受け止めだよ。新人が「村政に一石を投じた意義はあった」と言っていたように、村民からも「村長の初めての通信簿」という声が聞かれた。
 A 村では前回が島を二分する激戦となった経験から「しこりが残らないように」と選挙戦を避けてきた歴史があるらしい。現職は最後まで「選挙戦にはならない方が良かった」というスタンスを崩していない。
 D 「しこり」となるかどうかは9期目の村政運営次第じゃないかな。一定の批判票が出たことを真摯(しんし)に受け止め、村政を見直す糧とすれば、選挙戦を通してむしろ村内の融和は高まるのでは。これからの村政を注視しないといけないね。
※この記事は、11月7日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。

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