2016.11.7 05:00

【甘口辛口】日米韓、政治家の“醜態そろい踏み”に世界もさぞ呆れているのでは

【甘口辛口】

日米韓、政治家の“醜態そろい踏み”に世界もさぞ呆れているのでは

■11月7日

 主催者発表で約20万人、警察推計で約4万3000人。大層差があるが、間をとって10万人としても韓国・朴槿恵大統領退陣を求める5日夜のソウルでの抗議集会はかなりの規模だった。テレビで見た限り若者の姿も多く、「いままで政治に関心がなかったが、これ以上国の恥をさらすことには耐えられない」との声も聞かれた。

 韓国内の調査会社によると大統領支持率は前週の17%から一気に5%まで下落した。「過ちを率直に認め許しを請う」といってももはや“死に体”だろう。「国の恥」となると日本もお隣さんをとやかく言えない。TPP承認案を可決した衆院特別委員会の強行採決もひどいものだった。

 「いつもの『吉本新喜劇』のような光景」と日本維新の会の馬場幹事長はいったが、吉本にすれば「一緒にするな」と文句をいいたいのでは…。「冗談を言ったらクビになりそうになった」などと、国民を愚弄する相次ぐ失言で混乱を招いた山本農水相はイエロー2枚で退場もの。日本の根幹に関わる農政をつかさどる大臣としては「国の恥」でしかない。

 ついでにもう一つ…。米国の大統領選もまともな政策論争などなく、互いに口汚くののしり合いながら8日の投開票を迎える。米CNNテレビの予想では大統領選挙人(計538人)がクリントン氏268人、トランプ氏204人と64人差に縮まったが、どう転んでも史上最低の大統領選は間違いない。

 直前になってFBIが蒸し返したクリントン氏のメール問題も私的なものを公的に使ってどこがどう悪いのか、よくわからない。東アジアの平和を担う日米韓の“醜態そろい踏み”。世界も、さぞ呆れているのではないか。(今村忠)