長い話になるが、どうやってまとめよう?

秋元康が元締めの「欅坂46」なる似たような顔の美少女ばかり揃えたアイドル集団。
彼女らがハロウィンの出し物で、ナチ親衛隊の軍服を模した衣裳をまとって歌い踊った。





その場面を海外メディアが一斉に、批判的な調子で報道。あれよあれよという間に騒ぎが大きくなっていく。
とうとうサイモン・ウィーゼンタール・センター、泣く子も黙るあのサイモン・ウィーゼンタール・センターからじきじきに、企画者と音楽会社あてに謝罪の要請がおこなわれるに至ったのだ。




これに対し。
総帥の身で刑架上にさらされた秋元康は責任の所在をそらとぼけたが、もう片方の罪人ソニー・ミュージックのほうは世界企業としての立ち位置からへりくだった態度で応じざるを得ない。
「もうしわけない。もうしません」

問題は、余波だ。
それで落着するはずだったこの出来事に対し、欅坂46のファンとネット右翼、およびナチのシンパらが騒ぎ立てた。

(中略)

しかし……。
わからん連中に何を言っても始まらないのだが、ことナチスに関しては、「よそはよそ、うちはうち」という論法は通らない。
ナチスが世界公認の絶対悪だというのが理由の第一だが。そのうえ日本には、さらに特別な事情がある。
なぜなら日本とは、かつてナチズムと手を組んで世界に挑戦した、すなわちナチスの同類の侵略的ファシスト国家だったまさにそういう「うち」なのだから。
「アジアのドイツ人」と呼ばれる国民性ともあいまって、どうしたって特別な目で、ナチズムと親和性のある集団に見られてしまう。
「よそはよそ、うちはナチ」である。
この件で不満があるなら、「ナチ」と手を組んだ「うち」のご先祖に文句を持ち込むのが道理というものだ。あの昭和期に独伊の「鉄の同盟」に割り込んで三国同盟に発展させ、欧州の戦乱に乗じて連合国に宣戦、ドイツに対米開戦を要求する真似までした、まさにそういう人たちに。







イスラエル大使館の重大な誤解だ。
イスラエル大使館は、「欅坂46」が本人らの意思であの衣裳に決めた、そういう自発性のあるアーチスト集団のように買いかぶっている。
しかし日本のアイドルグループの実態は、さながら親衛隊と同じほど自由がないものでステージで着る服も自分では選べない。
彼女たちじゃなく、「元締め」を招くべきなのだ。

それにしても。
なぜかくも日本の芸能タレントによるナチ式のコスプレが槍玉に挙げられ、日本だけ叩かれる様相を呈するかといえば。
昔の日本がまさにナチドイツの同盟者でありヒトラーの戦争に協力した(そしてヒトラーを日本の戦争に協力させた)事実、しかも今の日本でファシズム時代を賛美する勢力が台頭している事実。これら新旧二つの事実をあわせ見れば、ユダヤ人としては警戒の念を抱き、神経を尖らせるのは当然すぎると思う。
とにかく今の日本という国で、第三帝国に憧れる動きがあれば放置しておけないのだ。
(たとえばネトウヨどもがさかんに引き合いに出す韓国のアイドルグループがナチの腕章を模したコスプレをした件だが、今回ほど大事とならなかったのはそのゆえだ。チェコで芸能人がナチの扮装をするのとドイツで芸能人がナチの扮装をした場合の差にほかならない)

小林よしのりの漫画などで「ドイツの戦争と日本の戦争は、別々のもの」と思い込んでる連中は、肝に銘じよ。
これこそ日本が世界でおかれた現実である。






関連リンク

欅坂46「ナチス風衣装」でユダヤ人団体が抗議 秋元康氏とソニーミュージックに謝罪要求
(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/01/keyakizaka-swc_n_12744932.html


Seed & Flower合同会社代表・村松俊亮および総合プロデューサー・秋元康の「弁明」
(欅坂46公式サイト)
http://www.keyakizaka46.com/mob/index.php?site=k46o&ima=0000


欅坂46ファンの方々がナチス擁護で有名な高須克弥氏ツイート
を拡散・絶賛してる模様ですがやめた方が
(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2147819992585076301


「ドイツと組まなければ災いは避けられた?」
(大戦壮語)
http://www.geocities.jp/ondorion/war/war-opinion/axis.html





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