クルド人主体の部隊 ISの“首都”奪還作戦を開始
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シリアで、アメリカ主導の有志連合の支援を受けたクルド人主体の部隊は6日、過激派組織IS=イスラミックステートが首都と位置づける北部の都市、ラッカの奪還作戦を始めたと発表しました。しかし、内戦が続き、ISに敵対する勢力が一枚岩になれない中、作戦は難航が予想されます。
アメリカ主導の有志連合の支援を受け、ISと戦ってきたクルド人主体のシリア民主軍は6日、ISから奪い返した北部の町、アインイーサで記者会見を開きました。この中で、前日の5日の夜に、ラッカ奪還に向けた大規模な作戦を始め、クルド人のほか、アラブ人やトルコ系民族など、各勢力の間で調整を行う司令部を設けたと発表しました。
シリア北部にあるラッカは、ISがおととし6月、シリアとイラクにまたがるイスラム国家の樹立を一方的に宣言して以降、その首都と位置づけてきました。隣国のイラクでISの最大拠点モスルの奪還作戦が進む中、ラッカも陥落すれば、ISにとって大きな打撃になります。
しかし、シリアでは、アサド政権と反政府勢力、クルド人勢力、それにISなどが入り乱れて内戦を続け、各勢力が対ISで一枚岩にはなれない中、作戦はモスル奪還以上に難航が予想されます。
シリア北部にあるラッカは、ISがおととし6月、シリアとイラクにまたがるイスラム国家の樹立を一方的に宣言して以降、その首都と位置づけてきました。隣国のイラクでISの最大拠点モスルの奪還作戦が進む中、ラッカも陥落すれば、ISにとって大きな打撃になります。
しかし、シリアでは、アサド政権と反政府勢力、クルド人勢力、それにISなどが入り乱れて内戦を続け、各勢力が対ISで一枚岩にはなれない中、作戦はモスル奪還以上に難航が予想されます。
ISの”首都”ラッカとは
ラッカはシリア北部に位置し、内戦が始まる前の人口はおよそ22万人で、シリア6番目の都市でした。2013年3月、反政府勢力がアサド政権の政府軍を撤退させ、支配下に置きましたが、その後、混乱に乗じてISが支配するようになり、おととし6月、シリアとイラクにまたがるイスラム国家の樹立を一方的に宣言して以降、ISはラッカを首都と位置づけてきました。
ラッカとその周辺には、ISが政府軍やイラク軍から奪った大量の武器を保管する倉庫や訓練施設、それに司令部などがあるとみられ、ラッカが陥落すれば、ISにとって大きな打撃となります。
ラッカをめぐっては、有志連合を主導するアメリカがクルド人主体の「シリア民主軍」を地上戦の主力にしようとしてきたのに対し、トルコはこの勢力が自国内の「テロ組織」とつながりがあるとして別の反政府勢力を支援しながらシリアに自国の地上部隊を展開させ、作戦に参加する構えを見せてきた経緯があり、有志連合内での足並みの乱れも懸念されてきました。
ラッカとその周辺には、ISが政府軍やイラク軍から奪った大量の武器を保管する倉庫や訓練施設、それに司令部などがあるとみられ、ラッカが陥落すれば、ISにとって大きな打撃となります。
ラッカをめぐっては、有志連合を主導するアメリカがクルド人主体の「シリア民主軍」を地上戦の主力にしようとしてきたのに対し、トルコはこの勢力が自国内の「テロ組織」とつながりがあるとして別の反政府勢力を支援しながらシリアに自国の地上部隊を展開させ、作戦に参加する構えを見せてきた経緯があり、有志連合内での足並みの乱れも懸念されてきました。